ED72形は、ED71形の試作機ED71 2を元にした北九州地区向けの旅客用機関車である。1961年製造の試作機1、2号機に続き1962年には性能,駆動方式,外観が異なる量産形の3〜22号機が製造された。九州地区の列車暖房は蒸気暖房方式のためED71形にはないSGを搭載しており、これによる全長・重量の増加に対応するためDD51形と同様に中間台車付となった。この空気ばね圧力を調整して動輪上荷重を加減できるのも同様である。新製時に搭載していた水銀整流器を後年シリコン整流器に交換したことによりバーニア制御機能を失い、交流機関車(当時の)の特長であった粘着性能は低下した。本来業務であった旅客運用は後継機ED76形に押し出される形で減少し、SGの撤去改造をした車両も出現した。1976年に試作機が廃車となって以降減少が続き1980年の北陸本線からのEF70形転入により1982年までに全車が車齢20年を待たずに廃車となった、写真の18号機は1981年3月に廃車となっている。現在ED72 1号機が九州鉄道記念館に保存されている。 '70.3.7 熊本 P:長谷川武利
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ED72 18(ED72)
デ7060形(7061)
加越能鉄道時代の昭和40年に鉄道線の射水線に乗り入れるため、日本車両にてデ7060形2輌密着連結器を装備して製造された、しかし翌年の昭和41年に射水線が富山新港開港のために路線を分断され、残りの路線は軌道法に準じた運行に代り、密着連結器は撤去された。それから30年後、乗客減から万葉線の存廃問題が起こり、2002年から経営が三セク万葉線に代わった。加越能時代から老朽化した車輌と施設を多く抱えていたため、近代化整備の一環として翌年の2003年から超低床式MLRV1000形が導入が始まり、デ7061は2004年8月、デ7062は2007年3月に廃車となり形式消滅した。高岡駅前行きデ7061が江尻交差点国道8号線ガード下を潜り抜ける。 '00.8.15 万葉線高岡軌道線 市民病院前-江尻 P:遠矢栄三
言わずと知れた、旧国鉄新性能車輌のパイオニア。'57年に旧モハ90形試作車10輌がデビュー翌'58年から量産、'69年まで約1500輌近く製造。電動車2輌1ユニット(MMユニット)方式採用、小型軽量モータに中空軸平行カルダン駆動、多段式制御に発電制動採用による高加減速性能向上等、当時の吊掛式と比較し大幅な性能向上となった。従来の20m片側4扉に、側引扉1.3m幅両開式として乗降性の向上を図り、外板色もぶどう色に替え、カラフルオレンジバーミリオン(線区別ラインカラーの先駆け)を採用。当初、M(モハ)は中間がモハ90000代の奇数偶数ユニット、先頭がモハ90500代の奇数偶数であったが、'59年の国鉄形式称号改正でいの一番、101系に称。'58年以降付随車(T=サハ)が登場、'60年から制御付随車(クハ=Tc)も登場。これらは電装準備(床下点検蓋、パンタ台、DT21T台車採用等)が考慮されていたが、'63年以降は完全な付随車として新製(床下点検蓋、パンタ台廃止、台車はTR64に)。JR化後も暫く活躍、近畿圏では'92年まで、首都圏は南武支線のワンマン化車輌が'03年まで活躍。写真は総武中央緩行線で10輌編成で活躍当時。 '87.10.18 中央線 飯田橋-市ヶ谷 P:梶村昭仁
東京急行電鉄 3500形デハ3508
'39年に旧東横電鉄時代に製造されたモハ1000形を前身とするデハ3500形。このうちデハ3508は、'47年4月に渋谷駅構内で発生した車輌火災による被災車輌で翌月に一旦、クハ3650形クハ3657号として復旧。しかし車体の老朽化が著しくなり、当時製造中だった、クハ3670・3770形用の全金属車体への載せ換え、同時にデハ3508号へ復帰を果たした。この時点で唯一の貫通スタイル。ノーシル・ノーヘッダーと他の仲間達とは姿形が全く異なる車輌となった。その後の車体更新で張上げ屋根、前灯シールドビーム化改造は仲間と共に施工。唯一の貫通スタイルはそのままとなり、'89年まで活躍。ちなみにこの大更新後、同線に所属のデハ3801号と似た者同士となったが、車輌の向きのほか、下回りが異なるため、容易に見分けがついた。 '87.12.22 目蒲線 多摩川園 P:梶村昭仁
相鉄5000系は1955年に登場した車輌。登場当時は18m3ドアの車体で、日本で初めてボディーマウント構造を採用した鉄道車輌として話題を呼んだ。5000系は合計20両製造された。その後1972年に現在のアルミ車体、20m車に車体更新され、5100系となり、1988年にVVVFインバータ制御装置に改造され再度5000系を名乗るようになった。5000系のVVVFインバータ制御は独特の走行音でありファンから絶大な人気を得た。しかし10000系の導入により2005年に5051Fが廃車、最後まで残った5053Fも11000系の導入により、2009年2月11日のさよなら運転を最後に引退した。さよなら運転では、引退記念ヘッドマークを取り付けたほか、前面の行先表示が横浜寄りは感謝、海老名寄りは希望が表示され最後の花道を飾った。さよなら運転終了後旧形車体の時代を含め54年に渡る長い活躍に幕を閉じた。 '09.2.11 相模鉄道 いずみ野 P:福田智志
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