鉄道ホビダス

2006年8月 2日アーカイブ

南海1321+1251系

1321.jpg

高野線の高野下から極楽橋にかけては最急勾配50‰、半径100mという登山区間であり、大阪難波近郊では通勤輸送と言う世界的にも珍しい鉄道である。戦前から高野山直通の電車は電力回生制動を常用し、わが国では稀なる技術水準と言われている。この写真のモハ1321は昭和初期に南海最初の電壱形を置き換えるために製造した15m車である。複雑な変遷を経て戦後回生制動付きのモハ1321(先代のモハ1321は戦災で廃車)となった経緯がある。高野線の登山電車では同じく15mのモハ1251形(昭和12年製)が有名であるが、製造年の違いからか形式が異なる。これらの登山用電車は堺東から千代田あたりまでの、連続10‰上り勾配では急行電車でも50km/hそこそこのスピードであった。しかし昭和32年高性能のズームカーの登場により、旧型電車も弱め界磁率52%という吊掛けモーターでは異例の高速化改造を実施、昭和40年ごろより上り10‰で 認可速度の85km/h運転が可能となり、下り10‰(難波行き )では99km/hという高速だった。しかし1500Vの昇圧を控え、22000系の増備に伴い昭和46年には廃車となった。なお写真の3輌目のクハ1861形及びクハ1891形はモハ1321形(当時は2輌のみ)の同系車であるが、高野山直通電車に多用された。 ’65.8 南海高野線 萩原天神-北野田 P:永野晴樹

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