鉄道ホビダス

2006年6月26日アーカイブ

阪神 851形

阪神 857 福島  7-1965.JPG

独特の二折式貫通ドアから喫茶店電車などと呼ばれた戦前の阪神を代表する名車。全長14m,車幅2360mmという小柄ながら阪急神戸線や国鉄に対抗し急カーブの連続する阪神本線を疾走した。851形は正面の水切りを下方にカーブを描いたいかめしくも精悍な顔つき、サイドには明かり窓も設ける独特のデザイン、車内隅々に乗客サービスに対する心配りが印象的であった。増備の861形は正面の水切りが直線状となり、さらに881形からは側面の明かり窓を廃止して、おとなしいスタイルとなった。撮影当時は朝のラッシュ時のみの運転で、高校時代の私は夏休みに入るや否や早起きをして撮影にはせ参じた。運転台は曲面ガラスで仕切られた片隅式で、編成の中間に入るときはその仕切りで運転機器を覆い、運転士席を客席にするという、一人でもお客に座席を提供しようとする涙ぐましい設計がなされていた。昭和40年夏には本線運用を離脱。881型の多くは高松琴平電鉄にほぼ原型のまま活躍。861型は野上電鉄と京福福井に一部が売却された。特に京福福井ではクハやサハとなったが昭和48年ごろまでもと京王の小型車と連結し、活躍した。’65.7 福島 P:永野晴樹

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