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鉄道投稿情報局

JR西日本の「北陸おでかけパス」が発売終了へ

JR西日本 2023.02.03

宮島昌之(石川県)

鉄道会社の垣根を越え乗り降りできる「北陸おでかけパス」の発売が2023年3月をもって終了に。MaaSアプリ「WESTER」版が次年度も継続して発売されるのか今後注目したい。

‘22.6.23 JR西日本・IRいしかわ鉄道 金沢

 JR西日本は、2023年2月2日付発出のプレスリリースで「特別企画乗車券の発売および見直しについて」を告知した。

 北陸エリアで利用できるトクトクきっぷの「北陸おでかけパス」や、北陸新幹線からアクセスする利用客向け「北陸周遊乗車券(着地オプション)」が、今年2023年3月をもって発売・利用を終了するという。

「北陸おでかけパス」は出発の3日前までに購入する条件はあったが、お財布にやさしい価格で、週末や祝日にフリー区間を普通列車で自由に乗り降りできることから、特に「乗り鉄」にはうってつけの切符であった。

 北陸新幹線金沢延伸開業に伴う並行在来線の第三セクター会社線開業後も継続して発売され、本券が120mm券から自動改札機に対応するため85mm券に変更されたり、価格改定はあったものの、「えちごトキめき鉄道」の「谷浜駅」より先「直江津駅」まで利用が可能になったほか、JR線では別途特急券を購入することで特急列車の乗車も可能になるなど、使い勝手の良い切符に進化していった。

 北陸エリアではICカード乗車券ICOCAの利用範囲は拡大しているものの、1枚の切符で鉄道会社の垣根を越え短時間の乗り換えや自由に乗り降りができたのは、スケジュールを考える上でも私的に恩恵があった。

 今回の発売終了は、北陸新幹線敦賀延伸開業により並行在来線の金沢~敦賀間を運行する第三セクター「IRいしかわ鉄道」および「株式会社ハピラインふくい」の開業が2024年春に迫っていることも関係あるのかもしれないが、私感では残りの約1年間ギリギリまで発売を継続していただきたかったと思う。

 ちなみに、JR西日本が運営するMaaSスマートフォン向け移動生活ナビアプリ「WESTER」では、「tabiwa by WESTER」限定の北陸エリア向け周遊パス(デジタルチケット)を2022年12月1日より発売しており、「北陸おでかけパス」に準じた「北陸おでかけtabiwaパス」の設定がある。

 今いる場所や時間に関係なく購入が可能となり、価格はさらに抑えられたものの、北陸本線の「長浜~敦賀間」がフリー区間から外れたため、東海・関西方面からのアクセスでは少々追加負担が増えることになるかもしれない。

 起筆時点でJR西日本のWebサイト「JRおでかけネット」を見ると、「北陸おでかけパス」同様に発売・利用は今年2023年3月までとなっているが、次年度(2023年度)に継続して設定されるのか注目したい。

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