宮島昌之(石川県)
能登地方への二次交通の未来像につながる重要な列車でもあった。
‘11.9.25 のと鉄道七尾線 西岸
往路の途中、田鶴浜駅で交換のため運転停車。今回はキハ40形がNT212(のとドン号)と遭遇。
‘11.9.25 のと鉄道七尾線 田鶴浜
歓迎セレモニーと共に、大きな「歓迎」の看板が直通快速列車の乗客を迎えた。
‘11.9.25 のと鉄道七尾線 穴水
2011年9月24日(土)、25日(日)の両日、JR七尾線~のと鉄道七尾線をまたぐ臨時の直通快速列車が、金沢―穴水間で各日往復運転された。これは将来の北陸新幹線金沢開業を見据え、能登地方への二次交通による利便性向上を目的に、県や地元自治体、鉄道会社が連携した協議会を設置。さらに試験的に直通列車を運転するための実行委員会を立ち上げ、両日に実証実験を行ったもの。車輌は両日とも、穴水方よりキハ47 25+キハ40 2027(ともに富山地域鉄道部高岡運転派出所属)の2輌編成が使用された。
金沢-穴水間で直通運転が行なわれたのは、2008年夏の臨時〈能登ふるさと博号〉(キハ58系国鉄急行色)以来で、今回は事前の試運転で姿を見せなかったキハ40形(高岡色)がJR七尾線及び、のと鉄道七尾線へ入線するという、さらに珍しい実証実験となった。
そのうち復路の所要時間は、快速でありながらも昭和の代表急行キハ58系〈能登路〉の中でも最速タイプに匹敵する俊足ぶりだった。
のと鉄道では、同列車の乗車と奥能登の観光スポットをバスで巡るモニターツアーを企画募集したほか、穴水駅では同列車の到着にあわせ歓迎セレモニーが執り行なわれた。
今後、実験の結果が取り纏められるものとみられ、利用客、鉄道会社などから、共に高い評価や活性化のヒントが得られ、さらなる取り組みにより観光全般に良い影響が見込められれば、定期的な直通運転の復活が期待できることから、今回の実証実験が重要なターニングポイントになることに期待したい。
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