宮島昌之(石川県)
高岡古城公園内に展示・静態保存されていたC11形217号機(静態保存)が、大井川鐵道に引き渡されることとなった。
C11形217号機は園内の駐車場や緑の木々の傍で、屋根で覆われた展示場所に保存されている。また、同機の解説看板も掲示されている。
旅立ちの時を待つC11形217号機の表情。
’23.7.8 高岡古城公園(富山県高岡市内)※3枚ともに
富山県高岡市にある自然公園「高岡古城公園」内で展示・静態保存されていた、蒸気機関車C11形217号機が大井川鐵道に譲渡されることとなった。これは、2023年7月7日の高岡市長の定例会見ならびに公開された会見資料で明かになったものだ。
同機は現在、園内にある休憩所「三の丸茶屋」と「東洋通信スポーツセンター(高岡市市民体育館)」前の駐車場や周囲の緑の木々に隣接する場所に展示・保存されている。機関車の上には雨や雪除けの屋根が設けられ、詳細な解説看板も設置された状態だ。
なお、機関室横に上がれる階段もあるが、現在は安全配慮のためか機関室の扉は閉じられ、階段も封鎖されて利用できない。
現地の解説看板によると、同機は1941年(昭和16年)7月に製造され、昭和36年末までは多治見・名古屋両機関区に、翌年昭和37年~43年7月までは七尾機関区、その翌月昭和43年8月~44年9月まで富山第1機関区高岡支局に配置され、城端線や氷見線で活躍したとのこと。
引退後、当時の国鉄(現在の所有はJR西日本)から富山県高岡市へ無償貸与され、1969年(昭和44年)11月より同公園での展示を開始した。
解体や移送の作業は2023年7月10日より約2ヶ月かけて行われる予定とのことで、初日の7月10日には新天地への旅立ちを祝うセレモニーも執り行われる。
なお、この話題は地元報道各社も一斉に報じているが、記事を読み受ける側での感想は、所謂動態による復活ではなく、現在大井川鐵道で活躍しているC11形機関車の運行を継続的に維持するために217号機が使われる模様だ。
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