宮島昌之(石川県)
一部分を除き綺麗に再塗装されたNT102。遠くから見ると現役当時の姿、線路の上を走っている様に見える。
雑草が生い茂り見づらいが、南西側の公道から築堤の斜面にある侵入?の跡には赤い三角コーンが立てられ「立ち入り禁止」と表示されている。
南東側の公道から伸びる線路には管理用?の小屋があり、さらに先の線路やNT102までの立ち入りはできない。
‘23.10.18 のと鉄道旧能登線(廃線) 正院~蛸島(3点共)
のと鉄道旧能登線の廃線跡(正院~蛸島間)で保存されている、NT100形気動車のNT102が、今年の夏頃より車体の外装(一部分を除く)の再塗装の作業が行われた。現役当時の姿が蘇り、離れた場所からは今にも走っているように見える。
今回再塗装された理由について、所有者(管理者)から地元の報道などなんらかの形で公表されると思い、しばし待っていたものの、石川県の珠洲市全域で「奥能登国際芸術祭2023」が開幕し、すぐ近くの芸術作品に一般の見学客が多く訪れる状況でも、未だ告知は無い模様。
なので、ここからはあくまで私の推測となるが、既報の通り同線の波並~藤波間で静態保存されていたNT123が昨年5月頃に「解体撤去」という最悪の結末になったことで、切羽詰まった事情になったのではと考えている。
「NT123は、許可なく車両に近寄った事象が相次いだのが解体の理由」という私の予想は今も変えてなくて、NT102の場合は再塗装することで改めて「所有物」であることを見た目でもハッキリさせたかったのではないかと。
双方の車両それぞれ所有者(管理者)がいるはずなのだが、現地を訪れた方々の中には車両の状態から、インターネットのサイトやSNSで車両の写真と共に「放置」という文言を付け加え投稿している場合がある。それがネットや伝え聞く中で「車両に安易に近寄れる」と、誤解が広まってしまったと考えている。インターネットの地図サイトで築堤に上がった写真も掲載されていて、さらに拍車をかけたのかもしれない。
また、再塗装は「奥能登国際芸術祭2023」の関連という文言も散見されるが、蛸島駅周辺に設置された芸術作品は2017年秋の第1回目より常設展示していて、作品とNT102は「関連はない」と考えている。
今回、「奥能登国際芸術祭2023」の鑑賞を兼ねて久しぶりに現地に行ってみたが、南西側の公道から築堤の斜面にある侵入?の跡には、赤い三角コーンが立てられ「立ち入り禁止」と書かれていた。
斜面にトラロープを張り「管理地」や「ヘビが出没し危険」など明示して封鎖していた写真を、過去SNSにて拝見した記憶もある。車両そばの斜面にも同じく人が往来した跡があったが、雑草が殆どなく、車両を再塗装した作業員が資材の搬入など頻繁に往来した跡と思われる。また、南東側(芸術作品がある側)の公道付近から伸びる線路にはすぐ手前に管理用?の小屋があるため、さらに先の線路やNT102まで立ち入ることはできないはずである。
石川県珠洲市では、2022年6月に震度6弱、2023年5月には震度6強の激甚災害級の地震があったのは記憶に新しい。正院地区や蛸島地区など震源地周辺では、今でも「応急危険度判定」の張り紙が貼られた住宅や、見た目痛々しい住宅も見られたが、NT102はそれらの地震に耐え、築堤にどっしり居座ってくれた。
なのに、車両や築堤への許可なき立ち入りが繰り返されると、車両が更に傷んだり怪我など人身事故が発生すれば、最悪NT123の二の舞になりかねない。
旧能登線は私的に当時幼い頃から親しみがあり、この文を書いている間気持ち熱くなってしまったが、皆様にはどうか離れた場所からNT102の姿を温かく見守っていただきたく思う。
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P:宮島昌之