橋本 淳(滋賀県)
紅葉し始めた紅葉した山を背景に、ウイングを開き、フランジャ―を下げて走行するDE15 2558。
‘16.11.19 木次線 幡屋―加茂中
11月19日と翌20日の2日間、木次線でラッセル車の試運転(乗務員訓練)が実施された。試運転では、普段、木次線で運行されているトロッコ列車〈奥出雲おろち号〉の牽引機として使用されているDE15 2558(後藤総合車両所所属)に除雪用のラッセルヘッドを装着した冬姿で、19日の日中時間帯に木次~宍道間を1往復、20日の未明から午前中にかけて木次~備後落合間を1往復走行した。乗務員訓練では、駅や踏切、鉄橋に近づくと、沿線に設置された雪掻車警標(標識)に合わせて、ラッセル車に乗車している作業員が、線路の両側の雪を掻き分けるウイングを開閉させたり、車両前方(下方)の雪を除雪するフランジャー、線路の間の雪を掻き出すアイスカッターを上下させる様子が見られた。なお、木次線では毎年、冬季になると三井野原周辺の大雪に伴い、木次~備後落合間でラッセル車が度々出動しているが、比較的積雪量が少ない木次~宍道間は、冬季でもあまり出動しないため、試運転ならではの貴重な走行と思われる。
なお、10月20日付の日本海新聞によると、JR西日本米子支社は新型ラッセル車(キヤ143形)を11月9日から順次導入し、同支社には来年2~3月ごろにかけて3輌を配備する計画で、本年度は運転訓練を行い、来年度以降に現行のラッセル車と入れ替えるとの発表があり、今回、木次線で試運転を行ったDE15 2558を含み、今後、山陰地区のラッセル車の動向が注目される。