2005年3月に就役した広島電鉄5100形“グリーンムーバーmax”は近畿車輌、三菱重工業、東洋電機製造の共同開発による国産100%超低床LRV「U3・ALFAVeacle」の第1号であり、国産初の独立車輪台車を採用している(台車部分の開発は三菱重工が担当)。独立車輪台車とはLRVの100%超低床化のため、従来のような車軸を廃したもので、車輪間に車体通路部を落とし込む方式の台車。5100形のものは国産超低床LRV実現のため2001年に車輌メーカー8社によって設立された「超低床エルアールブイ台車技術研究組合」の研究成果をベースに開発されたものである。
軸距:1800㎜ 車輪径:600㎜
軸箱支持:積層ゴム 枕ばね:コイルばね
写真:2004.12.8 三菱重工業プラント・交通システム事業センター RM
両端のA車、B車に配されるM台車(メーカー形式MKD001)は内側台車枠で、通常の台車では車軸に対して取り付けられている駆動装置〜主電動機を台車両側面に設置、直角カルダン方式で前後の車輪を駆動する仕組みである。ドイツ製の5000形のものよりコンパクトにまとめられ、M台車上の通路幅は860㎜が確保された(5000形はMT台車上とも通路幅830㎜)。車輪には弾性車輪を使用(写真は5101Bのもの)。
編成中央のE車に配されるT台車(メーカー形式MKT001)は外側台車枠で、枕ばねの位置も低いなど、よりコンパクトになる工夫がなされており、この結果T台車上の通路幅は5000形より大幅に広い1120㎜を確保している(写真は5101Eのもの)。
広島県三原市の三菱重工業プラント・交通システム事業センター内の実験線で試験走行中の5100形。営業運転では台車部分はカバーが取り付けられるため、台車を見ることは出来ない。なお、5100形は5車体連節車だが、2車体目と4車体目のC車、D車は台車のないフローティング構造である。
2006.3.2作成 2007.8.14更新
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