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国立研究所内に敷設された超電導き電ケーブルと、それにより送られた電力で走行する試験車輌(クヤR291-1-クモヤR290-1)。当然ながら実用化時にはき電ケーブルは側溝の中に敷設される。 2014.7.3 P:RM

 鉄道用超電導ケーブルを研究・開発を進める公益財団法人鉄道総合技術研究所(鉄道総研)では、7月3日、300m級の超電導き電ケーブルの電車走行試験を報道公開しました。
 「超電導ケーブル」というと「???」となりそうですが、従来の電線にあった電気抵抗をゼロにするというもの。従来の電線では、電線で電気を送る過程で電気抵抗による損失が発生していましたが、超電導ケーブルならば、直流送電の場合、これを損失することなく送ることが可能になります。
 これを変電所からトロリ線へ送電する「き電線」に使用することにより、変電所、あるいは回生ブレーキをかけた電車から発生した電力をより遠くまで低損失で送れることになり、電圧降下の解消、回生効率の上昇による省エネルギー化、さらに変電所の負荷平準化や集約化といった効果が期待されることになります。
 鉄道総研では昨年7月に30m級の超電導き電ケーブルの電車走行試験を報道公開(RM361号参照)しましたが、今回はそれに続くもので、線路跨ぎや踏切跨ぎの場所を組み入れ、また冷却による熱収縮緩和手法などを取り入れるなど、より実用化を意識したものとなっています。
 今回の成果により現在の直流電化路線へ適用が可能であることが実証されたとのことで、鉄道総研では4〜5年後を目途に実用化を目指すとしています。