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帝国車輌低床式(モ574) 写真:2003.5.25 新岐阜駅前 高橋一嘉
1950(昭和25)年に登場した名古屋鉄道モ570形(571〜573)用として製造された台車。この3輌は車体・台車とも帝国車輌で製造されたもので、ひと足先に同じく帝国車輌で製造された土佐電気鉄道203〜205のTB-20形台車によく似ている。後に増備された574・575は日車製車体に住友製KS40J台車の組み合わせとなったものの、後に台車交換が行われ、最終的には571〜573が住友製台車、574・575が帝車製台車の組み合わせとなっていた。
575は2000年に廃車となったが、台車は幸運にもオーストラリア・タスマニア州のロンセストン市電博物館に譲渡され、旧ロンセストン市電の動態復元車に活用されている。また574は2005年の岐阜市内線廃止まで活躍、廃車後はやはり台車がロンセストン市電博物館に豊橋鉄道からのKS40Jとともに譲渡された。
写真は574号のもので、枕ばね吊りが側梁上面から吊るように改造されている。原形は先に収録した土佐205号のTB-20と同じく、側梁側面からリンク機構を介して吊ったもので、575の台車はタスマニアに渡った現在も原形を保持しているようだ。
軸距:1370mm 車輪径:660mm 軌間:1067mm
軸箱支持:軸箱守(軸ばね) 枕ばね:板ばね
2007.3.3作成
参考文献
『世界の鉄道'73』(1972年 朝日新聞社)
「タスマニアで蘇った岐阜の台車」田尻弘行
(『RailMagazine』282号所収/2007年 ネコ・パブリッシング)