宮島昌之
JR七尾線は2月15日より全線で運行を再開する。定期の特急列車も一部を除き和倉温泉駅まで運転される。
‘20.10.29 七尾線 七尾~和倉温泉(過去撮影)
のと鉄道七尾線は同じく、2月15日より写真の能登中島駅まで鉄道による運行が再開される。
‘22.9.23 のと鉄道七尾線 能登中島(過去撮影)
下り1番線に到着の穴水行普通列車。能登中島駅の下り1番線は七尾方への折り返し運転が可能で、写真右側に七尾方の出発信号機が見える。
‘15.3.19 のと鉄道七尾線 能登中島(過去撮影)
「令和6年能登半島地震」で被災した七尾線だが、JR西日本の七尾~和倉温泉間と、のと鉄道の七尾~和倉温泉~能登中島間では、賢明な復旧工事により目途が立ったことから、2024年2月15日より暫定ダイヤにて鉄道での運行を再開する。
同2月9日に、JR西日本・のと鉄道・国土交通省の各公式Webサイトを通じ時刻や詳細が発表された。なお、能登中島~穴水間は引き続きバスによる代行輸送が行われる。
これによりJR七尾線は全線での運行を再開、定期の特急列車も一部を除き金沢~和倉温泉間で運転を再開する。
ただし、引き続き普通列車や特急列車の一部で七尾発着前後の時刻を変更するほか、特急「能登かがり火」の2号および7号は七尾駅発着を継続する。また、臨時特急「花嫁のれん」も引き続き運休する。
一方、のと鉄道の普通列車は七尾~能登中島間で折り返し運行を行い、速度を落として運転される。
通常より運行本数を減らし主に朝・夕刻中心の運転となるが、乗車の機会を補う目的で2月15日から当面、七尾駅~和倉温泉駅相互間のみ利用に限り、特別に乗車券や定期券だけでJRの特急列車の普通車自由席に乗車できる(特急列車で大阪・金沢・羽咋など良川以南の各停車駅~七尾・和倉温泉駅との間で利用する場合、従来通り乗車区間の特急料金が必要)。また、観光列車「のと里山里海号」は引き続き運休する。
今回の地震では、2024年1月1日16時6分頃より緊急地震速報が連続して発せられたが、その時間には、のと鉄道の七尾駅に運転を予定していたNT200形が停車中、能登中島駅には観光列車「のと里山里海号」のNT300形NT302(里海車両)+NT200形1両の2連が一時停車中であったと思われる。
線路や駅舎、運行設備に甚大な被害が出たにもかかわらず、今回早期の一部運行再開に至ったのは、迅速な復旧工事の賜物はもちろん、発災時に車両が七尾駅や能登中島各駅にいたことで、全車両の閉じ込め孤立を免れ、更に地震後も大きな損傷などが無く走行できる状態であった点が幸いしたのではと考えている。
なお、残る能登中島~穴水間については、2024年4月上旬の運行再開を目指し復旧工事を進めているとのことである。
■関連記事
「令和6年能登半島地震」で被災のJR七尾線、定期の特急列車が全て七尾駅まで運転再開
P:宮島昌之
【一歩ずつ、日常へ】のと鉄道の代行バス運行、そして被災地域へ更なる支援も
P:宮島昌之