大久保広樹(長野県)
83レ運用後、北長野駅で篠ノ井への回送を待つEH200-15。先週であれば、国鉄色EF64・115系の顔合わせであった。
‘23.9.30 しなの鉄道北しなの線 北長野
2023年9月26日から愛知機関区EF64 A82~83運用の南松本~北長野間が、高崎機関区EH200で運転されている。これは連続勾配の姨捨駅付近等における落葉等による空転対策が始まったものと考えられる。
このEH200による空転対策について、私自身の体験から経緯を記録に留めておきたい。
2021年11月8日、EF64 1049牽引の80レが稲荷山~姨捨間(25‰の連続上り勾配)で空転、運転再開には時間を要し、旅客列車の大幅遅延(「しなの25号」の長野駅到着は深夜2時台)や運休が発生した。雨はないが、落葉期の風がやや強い晩であった。
これには伏線があり、同年3月改正で、それまで中央東、西線⇔北長野間のコンテナ貨物列車は、88,89レ、81~83,80レの別列車で運転されていたものが、南松本~北長野間のEF64牽引83,80レに一本化され編成が長くなり、機関車負担が増していたことも要因と想定される。
この大幅遅延直後から、83,80レはEH200化され、姨捨の連続急勾配で上り貨物列車に奮闘する国鉄型EF64の姿は見られなくなったと覚悟していた。
しかし、2022年1月には愛知区EF64が運用に復帰した。同様に2022年秋もEH200が運用されたが、2023年1月にEF64が復帰、9月25日の80レまで運用されていた。
今季も落葉期終了後、SL時代からの難所でスイッチバックが残る姨捨駅に向けて上る80レに、国鉄型EF64が復帰するかについては注目していたい。
なお、現在のところ篠ノ井線の長野総合車両センターへの配給列車、愛知区の単機(重単)でのEF64(1000番代)の活躍は続いている。
■関連記事
◆大雨の影響で南松本駅にて抑止中の中央西線貨物80列車
P:尾名高大蔵
事業者別
月別アーカイブ