北陸鉄道浅野川線の8000系（元京王3000系）がすべて引退

宮島昌之

本線で「ラストラン」を行い有終の美を飾ったモハ8801＋モハ8811編成。記念のヘッドマークを掲出しており、側面の表示は「試運転」だ。

‘25.5.25　北陸鉄道浅野川線 蚊爪

私の経験だが、モハ8801＋モハ8811編成の走行する姿は、この撮影の2024年7月2日を最後に見られていなかった。

‘24.7.2　北陸鉄道浅野川線 割出

新型03系（左）との交換風景も「過去帳入り」となった。

‘24.7.2　北陸鉄道浅野川線 三ツ屋

　北陸鉄道浅野川線で活躍していた8000系（元京王3000系）のうち、最後まで残った「乗降ドア片開き」「裾絞り無し」が特徴のモハ8801＋モハ8811編成が、2025年5月25日をもって引退した。

　引退を記念して5月24・25日に、事前募集による「8801編成引退記念ツアー」を開催、内灘検車区内で撮影会やグッズ販売が行われ、その後「サプライズ？！」か、特別に本線走行（ラストラン）も行われた。

　これで浅野川線から8000系（元京王3000系）がすべて引退したこととなる。一方で、有志団体が同編成の1両について保存に向けたクラウドファンディングを検討しているとのSNS発信もあり、今後の動向も注目していきたい。

　私の経験だが、同編成の走行する姿は、2024年7月2日を最後に見ていなかった。日々沿線を観察できる生活でないため参考程度にしていただきたいが、内灘検車区構内（屋外）の奥側で停留していることが多く、たまに場所を移動したり、建屋内に入ったのか？姿が見えず心配になったり、一方でパンタグラフを上げていることもあり、優柔不断な動きも目立った。

　さらに、引退予定が公になって以降も営業運転はしていなかった模様で、レイル・ファンのSNSを拝見していると、遠方から乗りに撮影に来たけど「動いていなかった」と寂しい悔しいコメントが目に入り、心が痛むこともあった。以前から私は、このサイトを通じ現況を報告するべきか？と考えていたが、特に沿線の内灘町は昨年の能登半島地震で地盤液状化など各所で被害が大きく、私見だが北陸鉄道もその点を踏まえて「サイレント引退」に近い告知や企画にしたと考えている。

　なお、私は今回引退イベントには参加できていない。ラストランの走行撮影は本来イベント参加者に向けたサプライズ企画と考えているが、この記事を纏めるのに際し、本線走行の有無の確認と、8000系最後の編成であることから、前回引退車イベント参加の方の感想発信の内容と同等の扱いかも？と考え、時刻が不明な中、空振り覚悟で今回だけ沿線で待ってみることとした。事後であるが、どうかお許しをいただきたい。

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P：宮島昌之