植松 繁(香川県)
船体は前後対称。折り返し運航もスムーズだ。
‘23.3.22 広島県廿日市市 宮島口桟橋
JR西日本宮島フェリーの船内には転換クロスシートが並んでいる。
‘23.3.22 JR西日本宮島フェリー船内にて
「一本列島」をキャッチフレーズに青函トンネルと瀬戸大橋が開業して今年で35年になる。それらと引き換えに青函連絡船と宇高連絡船は廃止された。もう日本国内には鉄道連絡船はないかと思いきや、令和の今も輸送の大動脈として活躍している航路がある。それが、JR西日本宮島フェリーだ。
帰省していた次女が宮島へ行きたいとのことで、ちょうど休みがとれた長女と岩国錦帯橋空港で合流し、一路宮島へ。桟橋近くのお店で穴子や牡蠣をいただき、船に乗ろうとすると2つの長蛇の列。海外からの旅行客とおぼしき姿がかなりの割合で確認できる。しかし、大丈夫。宮島航路は、JR西日本宮島フェリーと宮島松大汽船のダブルトラックだ。しかも、ともに通常期は15分ヘッド(多客期は10分ヘッド)で頻発している。1便見送って、次便に乗船。行きは海に浮かぶ大鳥居を間近に望むことができるJRフェリーを、そして、帰りは乗り比べをするために松大汽船に乗船した。
船は、短時間で折り返し運航するために操舵室が前後2か所あり、前後対称になっている。また、JRの船内は転換クロスシートが設置されており、短時間の航海でも快適に移動できる。幼い頃、幾度となく乗船した宇高連絡船。多くの乗船客でにぎわった船内、乗り換えのために下船20分前から並んで宇野線快速まで駆けたこと…。シートに体を沈めながら、ふとそんなことが走馬灯のように脳裏をよぎった。
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P:宇田 映
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