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鉄道投稿情報局

能美市健康ロード(旧能美線の廃線跡を活用した遊歩道)の改修工事が完成

その他私鉄 2025.11.26

宮島昌之

一級河川の手取川の傍にあるトンネル「天狗山隧道」の新寺井方の前に、コンパクトな広場を整備した。トンネルの入口には、モハ3761が描かれた幕を吊り掛けてあり、当時の面影を再現している。

‘25.11.22 北陸鉄道旧能美線 天狗山

かつての駅跡各所に駅名標が設置された。駅の歴史や当時の様子の解説、隣の駅までの距離や、QRコードを活用して手持ちのスマホ等を通じて周辺のおすすめスポットを調べることもできる。

‘25.11.22 北陸鉄道旧能美線 新寺井(IRいしかわ鉄道の能美根上駅東口そば)

健康ロードには、一部約10Kmに亘りのべ約2千本のソメイヨシノが植えられており、春には満開の桜の花が彩る並木道として親しまれている。

‘25.11.22 北陸鉄道旧能美線 火釜

モハ3761が静態保存されている「のみでん広場」(辰口中央児童館および辰口図書館に隣接)は、旧能美線の沿線に沿う場所に位置している。

‘25.11.22 北陸鉄道旧能美線 辰口温泉

 北陸鉄道の旧能美線(新寺井~鶴来間)の廃線跡については、以前より石川県能美市内の一部区間を遊歩道「健康ロード(ヘルスロード)」として活用している。道沿いには、約10kmに亘り延べ約2千本のソメイヨシノが植えられ、春には桜咲く並木道が延々と続く風景が見られる。

 能美市では、2025年の能美市誕生20周年と旧能美線開業100周年に合わせ、約4年に及ぶ歳月で改修工事を実施した。区間は天狗山~新寺井間の約16kmで、桜の根による隆起など荒れた路面の修繕や、簡易照明およびルートを示す能美電色の目印を配置、駅跡(濁池駅や自動車連絡駅を除く)各所に駅名標が設置された。

 これまでも、本寺井や灯台笹(とだしの)など幾つかの駅跡には、独自の駅名標あるいはモニュメントが設置されているが、今回20箇所の駅跡に統一されたデザインの駅名標が配置された。また、「天狗山隧道」の新寺井方の前にコンクリートを打ち、小さな広場を整備した。

 2025年10月25日には、「健康ロード完成記念式典」が執り行われ、天狗山駅跡から新寺井駅跡まで記念ウォーキングを実施、行路途中一部の駅跡では駅名標の除幕式も行われた。「健康ロード」の詳細な地図ルートは、能美市ホームページ内から「健康ロード 路線図」でキーワード検索、「健康ロード完成記念式典」の告知で公表したpdfデータの地図で閲覧できる。

 なお、私自身普段の取材でも体の都合で徒歩は欠かせないが、この距離はさすがに負担は重く、途中の移動で車の運転を頼める親類の都合もあり、今回の取材は1カ月ほど遅れ秋の行楽シーズンを過ぎての報告となり申し訳ないが、健脚に自信がある皆様は、ウォーキングを挟んで北陸鉄道石川線鶴来駅とIRいしかわ鉄道能美根上駅の乗り継ぎなどを楽しまれてみては如何だろうか。

 ちなみに、新寺井駅跡へは能美根上駅前東口の駐車場付近、天狗山駅跡へは鶴来駅から健脚の方なら15分ほどで移動できるだろう。

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P:宮島昌之

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