宮島昌之(石川県)
最後の〈雷鳥8号〉の勇姿を見送ろうと、早朝から次々多くの人々が集まった。
‘11.3.11 北陸本線 金沢 P:宮島昌之
多くの報道関係者も集結。地方局のほか東京のキー局、新聞の取材陣もラストランを見送った。
‘11.3.11 北陸本線 金沢 P:宮島昌之
特急〈雷鳥33号〉、最後の力走。こちらはA01編成を使用。
‘11.3.11 東海道本線 桂川 P:塩貝 親
ダイヤ改正の前日2011年3月11日(金)、特急〈雷鳥〉が運転を終了、引退した。特急〈雷鳥8号〉のラストランを迎えた金沢駅2番、3番ホームでは、早朝にもかかわらず雪が強く降る中、多くのレイル・ファンや長年〈雷鳥〉を利用し想い出や縁がある方々、報道関係者が次々と詰めかけ別れを惜しんだ。
この日の特急〈雷鳥8号〉は、京都総合運転所所属の485系A06編成が重責を務め、所定時刻より早く3番ホームに入線した。引き続き「引退セレモニー」が行なわれ、運転乗務員への花束贈呈の後、金沢駅長が手をあげ、「雷鳥8号出発!」の合図とともに大きく汽笛が鳴り、定刻に金沢駅を発車していった。
なお、この日は金沢総合車両所所属の489系H01編成使用の団体臨時列車の運転日と重なっており、早朝の金沢総合車両所運用検修センター内では485系A06編成と489系H01編成が肩を並べ停留していたほか、その489系H01編成が送り込み回送として〈雷鳥8号〉より先行して向日町操へ出発、「露払い」の役目を果たした。また〈雷鳥8号〉発車前には、遅れていた寝台特急〈日本海〉が金沢に入線して隣同士で並んだほか、その後〈雷鳥8号〉を先行させ〈日本海〉は後を追いかける形をとった。このため、この日の朝の北陸本線の上りは偶然とはいえラストランにふさわしい豪華なキャストと演出になった。
1964(昭和39)年12月に運転開始以来、関西と北陸を結ぶ優等列車として長年の間多くの乗客を運び、心に残る旅を演出した特急〈雷鳥〉は本日をもって引退した。