宮島昌之(石川県)
ツタに一面に覆われた在りし日の「梅鉢給水塔」。
‘10.8.12 北陸本線 金沢―西金沢
石川県金沢市の北陸本線沿いにあり、明治から昭和にかけて蒸気機関車などへ水を供給した通称「梅鉢給水塔」の遺構が、北陸新幹線高架橋建設に伴い9月20日頃までに解体された。梅鉢給水塔は石川県内に唯一残っていた赤レンガ造りが特徴の給水塔で、明治31年頃に国が金沢保線区の敷地に建設し、昭和30年代まで使用されていたようだ。当時、地下水を汲み上げて車輌に供給したほか、送水管を経由し金沢駅構内の機関区まで水を届けたとのことだ。
JR金沢駅舎周辺の北陸本線が高架化された後も、福井方面へ向かう電車の左手車窓からは給水塔の姿を日々見ることができたが、建設が進む北陸新幹線に道を譲ることとなり、今回解体を迎えた。