大久保広樹

こんな会話が聞こえてきそうだ。「カシオペア殿、いかがなされたか」「老朽化し、客車運行も時代遅れに。今は処分待ちです。御同年の機関車にはお世話になりました」「拙者より二十も若きお主が……。無念じゃ」。

かつて尾久で同僚同士だったE26系「カシオペア」とE001系「四季島」の顔合わせ。今や処分待ちの「カシオペア」に対し、「四季島」は2025年長野等コース最終日で姿を見せた。今後、再び両者が出会う日はあるのだろうか。
‘25.9.28 しなの鉄道北しなの線 北長野~長野(2点)
先日、えちごトキめき鉄道「雪月花」と長野総合車両センターに留まるE26系「カシオペア」の出会いを伝えたが、今度はしなの鉄道「ろくもん」との顔合わせが実現した。これは北しなの線開業10周年を記念し、「発酵バレーNAGANO特別号」として、普段は走らない妙高高原行きで運転されたためである。少し前まで観光列車の象徴として憧れを集めた両者が並ぶ光景は、本来は実現が難しいものだった。
なお、朝には、運用中の元同僚「四季島」との出会いもあった。老朽化と時代遅れの「客車」ゆえに、廃車回送となった「カシオペア」。保存車1両だけでなく、他の車両にも何らかの存続の場が用意できないものか。目の当たりにして切実に感じる。
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◆マヤ50・マニ50・E26系カシオペアなど長野総合車両センターで三者の出会いを記録

P:大久保広樹
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