185系

鉄道投稿情報局

石川県にやってきた「ドクターイエロー」(922形)の展示までの動き

博物館 2025.06.23

宮島昌之

雨が降るなか貨物船の船倉からクローラクレーン2台で吊り上げられる922形T3編成7号車。ブルーシートで覆った姿を想定していたが、特徴的な黄色と車体の背面がハッキリ見えた。

荷捌き場に降ろされた922形T3編成7号車。右の船は、名古屋からの航送を終え次の目的地へ向け出港した貨物船「信洋丸」。

‘25.6.10 石川県金沢市 金沢港大浜埠頭見晴らし台(2点共)

貨物船が入港したのは前日の6月9日。あわよくば豪華クルーズ船「コスタ・セレーナ」とドクターイエローの共演を願っていたが、叶わなかった。

‘25.6.9 石川県金沢市 金沢港大浜埠頭見晴らし台

「トレインパーク白山」に到着した922形T3編成7号車。陸送はブルーシートで覆った姿で、撮影日の6月14日未明に行われた模様だ。

‘25.6.14 石川県白山市 トレインパーク白山

部品装着作業のため覆っていたブルーシートを撤去した様子。陽の当たる場所で特徴的な黄色の車体が露になった。

‘25.6.16 石川県白山市トレインパーク白山

展示が行われる多目的広場(ピロティ)。天井部には照明もあり、冬季の日が短い期間でも見学が可能だ。写真左側には据付作業に使う仮設のレールが見える。

‘25.6.13 石川県白山市トレインパーク白山

 石川県白山市にある「トレインパーク白山(白山市立高速鉄道ビジターセンター)」で展示されることになった、JR西日本所有で旧型ドクターイエローの新幹線922形T3編成7号車(922-26)の輸送のため、これまで展示を行っていた名古屋の「リニア・鉄道館」から搬出、隣接する名古屋港金城ふ頭で貨物船に積み込み、航送で瀬戸内海や関門海峡などを通りながら、2025年6月9日に金沢港大浜埠頭に入港した。

 陸揚げ作業は6月10日に行われ、クローラクレーン2台で輸送用トレーラーに積み降ろされた。

 過去、北陸新幹線のW7系の陸揚げは同港の戸水埠頭で行われていたが、昨年の能登半島地震で護岸や荷捌き場が甚大な被害を受け、現在大規模な復旧工事が進められており、今回は大浜埠頭で陸揚げを行ったと思われる。

 名古屋港では922形をブルーシートで覆って船倉に積み込んだ模様だが、金沢港の陸揚げではブルーシートを外した姿で現れ、驚きを隠せなかった。

 当初私は「報道向けの公開か?」と思ったが、その翌日のニュースや新聞では特に記事がないことから、今も理由は不明で、航送後の車両の状態を目視点検するために外したと予想している。間もなくして車体を再びブルーシートで覆い目隠しを施した。

 受け入れ側の「トレインパーク白山」では、施設メンテナンスのため定休日を含む2025年6月14~6月18日までの5日間を臨時休館とした。

 「トレインパーク白山」への陸送は6月14日未明(夜間)に行われた模様で、到着後は数日間かけて搬入据付作業を実施している。

 クレーン車で車体を吊り上げ台車へ載せた後、覆っていたブルーシートを外し、輸送時に支障となっていた部品のパンタグラフ・観測ドーム・検電アンテナ・足回り側面カバー・スカート(排障器)などを再び取り付けた。

 屋外で黄色い車両の全姿を見れたのはこの作業の時で、その後展示場所となる1階エントランス横の多目的広場(ピロティ)に移動させ据え付けた。

 最後に当報告については、撮影から日数が経過し長文ともなるが、展示の開始後に一括りでまとめることとした。

 理由は、一度きりの922形陸送や搬入でトラブル誘発の懸念もあるが、私は新車や新デザインなどが登場する場合、写真と記事は一斉報道公開の後で投稿するように気を付けている(所有者から公にしても良い、という判断材料と考えている)。

 今回の922形の場合は、車両の陸送や搬入を報じた社が少なく、施設の運営元である白山市の広報のスタンスが読めなかった。

 また、同施設前で撮影していた際には、臨時休館を知らずか?朝から車で訪れる子連れの客が絶えず、駐車場が使えないため誘導員から説明を受けその場から移動あるいは諦めたとみられる光景が見受けられた。

 そんな中でも、電車で来ているとはいえ私は「臨時休館」の真っ只中で撮影しているわけで、何か「後ろめたさ」の思いも感じたことから、早急な写真公開と報告は慎重にすべきと考えた。

 さらに、自身の体の不調が再発し連日の撮影は叶わず、望んでいた光景を撮れなかった点もあり、どうかご了承願いたい。

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P:宮島昌之

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