宮島昌之(石川県)
在りし日のNT100形NT123。緑濃い木々や草に守られながら静かに眠っていたのだが、この一報は残念でならない。
‘17.8.5 のと鉄道(旧)能登線 波並~藤波(第四種踏切跡より撮影)
のと鉄道でかつて活躍したNT100形気動車は3両が石川県内で保存されているが、そのうち(旧)能登線の波並~藤波間で保存されていたNT123が、先般現地で解体撤去された旨、SNSで次々発信された。
NT123は2005年春の(旧)能登線廃止による営業運転終了後、しばらくして能登町の公園内にある公道橋の真下、切り通しの本線上に留置されていた。留置場所の橋や切り通しが雨雪および風を除ける役目を果たしていたためか、廃止から長年経過しても保存状態は比較的良かったと見える。また、NT123の側面には2003年7月に開港した能登空港のPRラッピングが残っており、廃線間近の面影が色濃く残る車両でもあった。
解体撤去に至った経緯は不明だが、普段のSNSを拝見するにNT123の存在が近年広く一般人まで知れ渡っての反響と察している。筆者が初めて現地を見た2011年10月、および写真の2017年8月の時点では、NT123から藤波駅寄りに少し離れた第四種踏切跡の内側に「ここより先は立ち入り禁止」を示すとみられるロープが張られていたのだが、近年はおそらく所有者の許可を得ず車両のそばに近づき撮影する人々も絶えなかったようだ。
これからも静かに余生を送るだろうと思っていただけに、NT123解体撤去の一報は残念でならない。
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