宮島昌之(石川県)
旧輪島駅まで列車が運転されていた当時を今に残す施設に、新たに加わった踏切。‘11.7.10 道の駅輪島「ふらっと訪夢」(のと鉄道七尾線 旧 輪島)
駅舎(左)とホーム跡が残る旧能登三井駅。‘11.7.10 のと鉄道七尾線 旧 能登三井
旧能登市ノ瀬駅は駅舎、ホーム全て消滅。写真の「停通確認標識」がおそらく唯一の痕跡。‘11.7.10 のと鉄道七尾線 旧 能登三井―旧 能登市ノ瀬
のと鉄道七尾線の旧輪島駅は再整備されて、現在道の駅輪島「ふらっと訪夢」として使用されているが、同施設の裏手には鉄道メモリアルゾーンがあり、旧輪島駅のプラットホームの一部を再現し保存されている。
このゾーンに先月、のと鉄道旧能登線で使用されていたと思われる踏切(警報機および遮断機)が新たに設置された。踏切の「緊急連絡先」が記された案内板には、「第二黒崎踏切」と書かれており、おそらく甲―沖波間で実際に使用されていた踏切と思われる。警報機や遮断機は新たに塗り替えられた模様で綺麗な姿になっており、警音機(スピーカー)は外されて無いものの、閃光灯は時々点灯する仕掛けになっている。
旧能登線で使用された踏切の設備が、ほぼ原型を崩さず今まで残っていたのは奇跡といっても過言でなく、どのような経緯で現在まで残ったのかは不明だが、これからも旧能登線に列車が走っていた確かな証として長年にわたる保存に期待したいところだ。
このほかの駅では、旧能登三井駅は今も駅舎やホーム跡が残り、駅名標も2箇所にある。現在は、地元住民の憩いの場やバス待合所として使用されている。一方、旧能登市ノ瀬駅は解体撤去されており、近くに農協(JA)の倉庫や市ノ瀬バス停、民家などの建物は見えるものの、駅舎、ホームなど駅の遺構としての姿は跡形も無い状態であった。同駅すぐ近く(穴水方)の線路跡に、唯一駅の存在を証明するであろう「停通確認標識」が残っていたのがせめてもの救いであるといえよう。
最後に、穴水―輪島間が廃止になって、今年の春で10年が経過した。
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