西村 将

まるで扇形庫から出区する雰囲気を醸し出す29612号機。

標記にもある、小倉工場から出場したての姿を思わせる29612号機。


かつては保存時に荒廃していた時代もあったが、美しい今の姿を永遠に留めてほしいものだ。
‘25.11.5 大分県玖珠郡玖珠町 豊後森機関庫公園(4点共)
2025年は行橋駅開業130周年、豊後森機関庫ミュージアム開業10周年が経過した。 その節目となる年に、福岡県行橋市と大分県玖珠郡玖珠町には、両自治体にゆかりのある9600型蒸気機関車29612号機の美しい姿が、旧豊後森機関庫前にある。
本機は現役時代北部九州をメインに活躍し、晩年を行橋駅に隣接していた行橋機関区に所属して田川線(現平成筑豊鉄道)の石炭輸送などに従事し、その後志免町で保存後、10年前の2015年に旧豊後森機関庫前に展示された。この美しい姿のまま、今後も行橋機関区と豊後森機関庫の歴史を、29612号機が語り継いでくれることを願うばかりだ。
行橋機関区があったころは豊後森機関庫と同じ規模の施設があり、9600型機関車が運行されていたことを耳にしてきた。現在、行橋機関区に在籍していた機関車は田川市石炭・歴史博物館の9600型59684号機とこの29612号機しか保存車はない。同機は区名札こそは豊後森機関庫所属を示す「森」だが、隣接するミュージアムには行橋機関区時代の行橋駅での写真やナンバープレートも保存されている。
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P:西村 将
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