大久保広樹

長野総合車両ベースを出発するモハE216-2080。往路では車体にカバー等は掛けられていなかった。この時点では行先を鉄道総合技術研究所ではないかと推定していた。近所の住民も足を止め、「何だろう」といった様子で一緒に見守った。
‘26.8.9 長野県長野市 平林交差点付近

消防大学校から長野へ戻った朝のモハE216-2080。車端部の貫通扉上部には、煤によるものとみられる黒い痕跡が確認できた。日本の鉄道では、重大な車両火災事故などを契機に、検証と対策が重ねられてきた。実車を用いた燃焼実験が行われた例もある。今回、どのような目的で用いられたのか、公表が待たれる。

モハE216-2080を、クレーンで車体を降ろす際、最も高く上がった瞬間。台車は長野に残されており、その後、搬出前にも収容されていた第二製作工場へ入れ換えられ、直ちに解体とはならなかった。大阪府立消防学校ではクモハ103-110が訓練用として定置されたが、同車は消防大学校から長野へ戻った。今後どの動向に注目だ。
‘26.8.30 長野総合車両ベース(2点共)
2025年3月26日、E217系Y-140編成4両がEF64 1032牽引で長野へ廃車回送され、4月4日にはモハE216-2080だけが切り離された。他3両は後に解体されている。同車は座席・冷房・帯等が撤去され、2026年8月9日夜に陸送で長野を出発、12日未明に調布市消防大学校へ搬入された。用途は公表されていないが、この間に火災実験等へ供された可能性がある。
国鉄も北陸トンネル事故後、大船工場等で実車で燃焼実験を行い、知見を車両構造や運転取扱に反映した。8月28日に同校を出発、8月30日に長野に帰還し、車端部には煤けた痕跡も確認できた。今後の研究成果発表と、その知見が鉄道・防災分野に生かされることを期待したい。
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P:玉木裕一
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