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RMライブラリー『国鉄DD13形ディーゼル機関車(下)』完成

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DD13形重連の牽引で夏の館山を目指す153系臨時準急「汐風2号」。 1963年夏 上総湊ー竹岡 P:臼井茂信 RMライブラリー215『国鉄DD13形ディーゼル機関車(下)』より

RML215_H1.jpg今月のRMライブラリーは3巻にわたってお届けしてきた岩成政和さんによる『国鉄DD13形ディーゼル機関車』の完結巻となる下巻です。1958(昭和33)年に誕生したDD13形でしたが、蒸気機関車全廃という国鉄の大目標のもと、昭和40年代に入っても増備が進められ、1967(昭和42)年度製造の19'次車でついに総数416輌に達しました。
本来、DD13形は9600形が使用されていたような操車場での重入換は不向きとされ、駅構内や客車区などの入換えや小運転をその使命としていましたが、実際にはそれに留まらず、羽越本線などでは比較的長距離の本線貨物列車を牽引したり、只見線では客車列車の無煙化に用いられたり、郡山では操車場の入換えにも用いられる等、幅広い活躍を見せました。ただ、それらは来るべき電化や気動車化、あるいはDE10形が増備されるまでの中継ぎとして役割でした。

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寒地型の解説。一般に複雑な手すりが特徴とされるが、実はこれがない寒地型も存在する。また、スノープラウや旋回窓を装備して北海道に配置された一般型もあった。 RMライブラリー215『国鉄DD13形ディーゼル機関車(下)』より

このDD13形の歩みのなかで、知られざる部分が多いのが「寒地型」です。寒地型は15次車より設定されたものの、番代区分がないため、寒地型か否かは個々に見分けるしかありません。形状の大きな差は、台車横の空気溜が小さくして1・4位の運転室横に別の空気溜を納めた箱ができ、そこの手すりが複雑な形状になっていることです。そもそもこれは降雪時の融雪のために暖かい排気をブレーキシューや砂箱に導く為の配管を配置することに起因しているのですが、この融雪排気管を装着した姿というのはほとんど記録されていません。つまり、寒地型の寒地型たる最大の特徴が実はほとんど知られていないということになってしまったのです。さらに19次車では融雪排気管なしの寒地型が設定されますが、これは空気溜が一般型と同様になったため当然手すりも一般型と同じ形状となり、パッと見には一般型に見えるという、なんとも難解な存在となったのです。

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DD13形の改造の例。香椎区や直方区ではタブレットキャッチャーの取付けが行われ、授受時の衝撃に対応するため手すりも特徴あるものに変更された。この仕様は19'次車の直方区配置車では新製時から反映された。 RMライブラリー215『国鉄DD13形ディーゼル機関車(下)』より

本書では17次車から最後の増備となった19'次車までの解説とともに、製作輌数と重連型についての考察や、一見同じように見えるDD15形との関係、寒地型について解説。さらに後天的な改造などについても紹介するなど、国鉄DD13形の知られざる側面に光を当てます。DD13形が国鉄線上から消えて今年で30年。気がつけばDD13形が活躍した期間より長い時間が流れたことになります。この機会にぜひ、DD13形について振り返ってみてください。

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