豪雪の只見線、蒸気ロータリーのキ621をプッシュするDD13 514。 1968.2.4 魚沼田中ー越後須原 P:佐藤道博 RMライブラリー214『国鉄DD13形ディーゼル機関車(中)』より
今月のRMライブラリーは先月に引き続き岩成政和さんによる『国鉄DD13形ディーゼル機関車』の中巻です。DD13形は1958(昭和33)年から1967(昭和42)年にかけて実に416輌が製造されましたが、1961(昭和36)年登場の111号機では大きな変化を遂げます。エンジンが従来のDMF31S(370PS)からDMF31SB(500PS)に進化、これに合わせ冷却方式も変更されてボンネット天板部に送風扇を設置、さらに前灯もシールドビーム2灯化されました。強馬力型DD13の誕生です。一般に後期型と言われることも多いこの形態ですが、輌数はこれ以降の方が全体の7割以上を占めることになります。ちなみに強馬力型第1号の111号機は試作的要素も強く、従来公式側1セットのみであった運転台が非公式側にも設置されましたが、これは112号機では再び公式側のみに戻され、111号機も量産化改造ののちに新幹線用の912形に改造され、DD13形としては短命に終わりました。
重連型と寒地用が設定された15次車。この15次車以降のDD13形は198輌で、全体数の5割弱を占めることになるが、なかでも15次車は64輌で次数別で最多の輌数となった。 RMライブラリー214『国鉄DD13形ディーゼル機関車(中)』より
誕生から毎年増備が続けられたDD13形ですが、1965(昭和40)年登場の15次車で重連総括制御を本格的に取入れた500番代が誕生します。さらに融雪排気管の取付けに対応した寒地型も設定され、一般非重連型、一般重連型、寒地非重連型、寒地重連型と4種に分かれることになりました。しかし、寒地型は番代区分がなされなかったため、非重連型0番代、重連型500番代それぞれの中に一般(暖地)用と寒地用が混在することになりました。さらに16次車ではDD51の成果を反映して歯車関係が一新され、既存機との互換性がなくなったため、非重連型は300番代、重連型は600番代となりました。
歯車関係が一新された16次車。新潟地区には冬季のDD14補機用として多くの寒地用重連型が配置された。 RMライブラリー214『国鉄DD13形ディーゼル機関車(中)』より
本書中巻では7次車(111号機)から16次車(339号機・611号機まで)、次数別の変更点について、多くの写真とともに紹介するものです。なお、続く下巻では残る17次、18次、19次、19'次車の解説とともに、知られざる寒地型の解説、後天的改造などについて収録する予定です。どうぞお楽しみに。