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今なお現役2020!50年選手15選 ―関東私鉄車両第4回-

■引退近し?ステンレスボディのヒルクライマー

 現在、長野電鉄で走っている帝都高速度交通営団(営団→東京メトロ)日比谷線用3000系は1961年に登場し、1970年度まで9次にわたって製造された。ただし先頭車が製造されたのは1968年製造の8次車までで、9次車は中間車のみが製造された。3000系は1993〜1997年に先頭車3000形奇数車、偶数車各17輌と、中間車3500形3輌、及び部品取り用の先頭車2輌の合計39輌が長野電鉄へと譲渡され、1968年に製造されたグループは2018年に車齢50年を迎えた。
 長野電鉄での形式は3500系となり、2輌編成の標準仕様N編成、2輌編成のワンマン仕様O編成、そして3輌のL編成に区分された。同時に3輌編成化に際して奇数番号の先頭車の電装が解除された。
 長野電鉄には信州中野〜湯田中間に30〜40‰の急勾配区間があることと、降雪地帯を走行することから、主抵抗器の容量を増大し、耐雪ブレーキの装備及び乗降扉の半自動化とドアレールにヒーターの設置などを実施した。
 3500系はN編成8本、O編成6本、L編成3本の陣容で、長電全線で営業運転を開始。2001年に一部編成に冷房装置を搭載した。しかし、2002年の木島線の廃止や2005年から元東急8500系が導入され、さらには2012年3月に屋代線が廃止された。直近では2020年4月15日をもってN3編成が引退するなど、その数を減らしている。現在はN6〜N8・O2・L2編成が残っているが、同じ日比谷線出身の03系の運行が2020年6月22日より始まり、今後の動向が気になる。

長電3500O編成_600.png

▲3500系O2編成 ワンマン仕様の2両編成。赤帯が入っておらず、冷房が設置されていないため、営団時代の姿に近い外観となっていた。昨年12月に運用を離脱している。 長野電鉄 須坂 2020.3.10 廣瀨 匠

本文:RM 要約・再構成:RM レイル・マガジン436号より