鉄道ホビダス

今なお現役2020!50年選手15選 ー関東私鉄車両第3回ー

■東京湾から瀬戸内海へ 還暦を迎えた「海辺の俊足」

 京浜急行の車輌は高松琴平電鉄(琴電)に譲渡されており、現在は600形、1000形、700形の譲渡車が琴平線、長尾線で活躍している。過去にはデハ230形やクハ120形が譲渡されたこともあり、京急と琴電の関係は深い。
 その中でも京急1000形は都営1号線(現・浅草線)乗り入れに備え1958年に800形として登場(後に1000形に編入)。1959年から1000形として1978年まで20年にわたり製造された。琴電へ譲渡された1000形は琴平線用の1080形と長尾線用の1300形の2形式がある。
 1080形として譲渡されたのは1959〜1960年に製造されたグループで、京急時代に冷房改造され、分散型冷房装置を搭載している。譲渡に際しては、品川方先頭車のユニットを種車とし、中間車には浦賀方先頭車の運転台を取り付けて2輌編成化した。また、性能面では、従来車との併結を前提とした改造を実施している。
 1080形は1990〜1991年に2輌編成6本12輌が入線した。1089-1090編成が2011年に長尾線から転配された600形に置き換えられて廃車となったほかは、5編成が健在。このうち、1081-1082編成がクラウドファンディングにより京急時代の塗装に戻され、2019年3月6日より"還暦の赤い電車"として運行している。
 なお、1300形は従来車との併結を考慮した改造を行わなかった。また、新製冷房車で集中式冷房装置を搭載するため、1080形とは外観の相違点も多い。

京急1000復刻_600.png

▲琴電1080形 1081 編成は京急1000 形誕生60 周年を記念したクラウドファンディングにより、京急時代の塗装にリバイバルされた。 '19.10.24 高松琴平電気鉄道琴平線 片原町 P: 松沼 猛

本文:RM 要約・再構成:RM レイル・マガジン436号より