TR69H(クハ481-334)
DT32/TR69系台車は1962(昭和37)年登場の交直流急行型電車451・471系から採用された、国鉄の電車用空気ばね台車のロングセラー。それまでの空気ばね台車であったDT23/TR58(151系)、DT24/TR59(153・157系)に比べ、下揺れ枕を省略したインダイレクトマウント構造を採用、加えて大径心皿の採用により側受を廃止したもので、以後改良を重ねつつ165系、481系、181系100番代、581系などから185系までの国鉄急行・特急型電車(381・781系を除く)、さらに117系など一部の近郊型にも採用された。また、717系や107系電車など、この台車の廃車発生品を利用して誕生した系列も存在する。現在でも北海道から九州まで四国を除く全国各地でこの台車を履いた車輌が活躍している。
写真は485系電車のもの。485系は当初はDT32A/TR69Aを採用していたが、46年度第2次債務車(M車では1972年製モハ485・484-62〜)以降は空気ばねをベローズ式からダイヤフラム式に変更したDT32E/TR69Eとなった。さらにT台車は49年度第2次民有車両(Tc車では1975年製のクハ481-311・313および315〜)以降、ブレーキシリンダをダイヤフラムシリンダとしたTR69Hに変更された。
軸距:2100㎜ 車輪径:860㎜
軸箱支持:軸箱守(ウイングばね) 枕ばね:空気ばね
写真:2006.1.15 小山車両センター RM(新)
JR東日本・東武鉄道の直通特急<日光><きぬがわ>用に改造された485系。2006年3月18日ダイヤ改正から東武鉄道100系“スペーシア”とともにJR新宿〜東武日光・鬼怒川温泉間で運行されている。
特急<日光><きぬがわ>用485系:RailMagazine271号参照
参考文献
「485・489系電車 車両のあゆみ(新製車編)」福原俊一
(鉄道ピクトリアル№498所収 1988年 電気車研究会)
2006.1.19作成 2006.3.20更新