←その15 その17→

宇野が出たついでではないが、青森駅のすぐ近くにも可動橋がある。入江のようになった連絡船の旧第一岸壁付近の沖側に架けられた遊歩道の一部がそれで、八甲田丸が展示されている旧第二岸壁の可動橋の真横に位置するので、ちょっとややこしい。
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この橋、一見ただの斜張橋のようだが、実は橋自体が長手方向に水平移動する日本では珍しいもので、「引き込み式」とか「引き込み橋」と呼ばれる。完成は新しく1993年だそうだ。
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よく見ると橋の裏側に橋が移動するレールと牽引用のワイヤーが伸びている。なぜ跳開橋ではなくあえて引き込み橋を採用したのだろうか、ちょっと気になるところだ。
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現地には可動橋の動作により通行止めになる場合がある旨の注意はあるが、可動橋であることを「売り」にするような掲示などはないようので、可動橋であることを気づかない方も多いのではないだろうか。

この可動橋は旧第一岸壁側への船の出入りのためのものだが、日常的に出入りする船はないようだし、フェリーのような大型船が通れる大きさではないので、港内の作業などで必要な時だけ開けるものなのだろう(冬季通行止めとの情報もあるので、時期によっては開けっ放しのこともあるやも知れぬ)。(つづく)















現地にいた時間は50分程度だったが、その間だけでも5回船が通過し、その都度橋が回される。居合わせた観光客も橋が回るという珍しい光景に見入っている。観光ルートと産業の動脈が交差する、不思議な光景だった。





























































私は勝鬨橋が好きだ。この橋が最後に開いたのは1970(昭和45)年のことだという。以来36年、日本を代表する可動橋は“不動橋”となったままだ。数年前、この橋を再び開く計画がある聞き心躍ったが、残念ながら現在のところ実現には至っていない。道路事情もあるだろう、資金の問題もあるだろう。しかし、通る度に思う。この橋が開く姿が見られたどんなに素晴らしいことか。

標識にあった可動橋は、船溜まりとなっている古い内港の出入り口に掛けられていた。後で調べたところ、この内港は人工的に掘り込まれた港としては日本最古のものだそうで、景観もなかなかのものである。橋の袂には鉄道のそれを流用したと思われる踏切の警報機と遮断機が備わる。非常ボタンもついているが、押すと橋の上昇が止まるのだろうか。中途半端に止まられても困る気がするが。


