FU-30T
1984(昭和59)年に富士重工業が発表した全長12.5mの2軸レールバス“LE-CarⅡ”の1軸台車である。従来の2軸車のような固定軸ではなく、リンク機構によって回転するボギー台車であり、これによって2軸車ながら前後間の軸距7mを実現。枕ばねにも空気ばねを採用するなど、乗り心地も南部縦貫鉄道キハ10に見られるような従来の2軸車に比べ改善が試みられた。台車枠は鋼鈑溶接、軸ばねには円筒状のゴムブロックを使用している。
FU-30を採用する2軸LE-Carは1984(昭和59)年9月に営業開始した名鉄キハ10形を皮切りに、樽見鉄道ハイモ180形、北条鉄道フラワ1985形、三木鉄道ミキ180形、近江鉄道LE10形と続けて登場したが、間もなくLE-Carも2軸ボギー台車(FU-34)を採用する15m級以上のモデルが主流となり、FU-30の採用はこれら5形式に留まった。
現在は北条鉄道から譲渡された紀州鉄道キテツ-1が活躍しているほか、北条鉄道フラワ1985-1が予備的な存在として在籍している。
写真は2007年3月末で廃止されたくりはら田園鉄道KD12(もと名鉄キハ10形)のもので、石越側が動台車の配置。
車輪径:762㎜
軸箱支持:軸梁式 枕ばね:空気ばね
写真:2006.5.21 若柳 高橋一嘉
くりはら田園鉄道KD11。 2006.6.19作成 2007.5.31更新
参考文献:
「キハ10形八百津線に登場」柚原 誠(『鉄道ファン』№285所収/1985年 交友社)
これまでに収録したくりはら田園鉄道関連の台車 FS21 NA-31
これまでに収録した名古屋鉄道関連の台車へのリンク