T-10(日本車輌製/M台車/10-212)
軸距:2200㎜ 車輪径:860㎜
軸箱支持:円筒案内式 枕ばね:空気ばね(ダイレクトマウント)
1978(昭和53)年に開業した都営地下鉄新宿線10-000形電車の台車。10-000形の中間車を転用した10-300R形の中間車でも使用されている。MTとも同一形式で、構造に互換性を持つ。三田線6000形用のT-6(KD70)と同じく円筒案内式軸箱支持だが、T-6が油浴式(湿式)だったのに対し、T-10は乾式となった。ちなみに両先頭車用として用意されたものが都営地下鉄としては初めてのT台車である。M台車に組み合わされる駆動装置はWN。
メーカーは近畿車輌(KD82)、日本車輌(ND-320)の2社で、1992年製造の増備車からは改良によりT-10A(KD82A)に区分されている。ただし、現在の台車・車体の組み合わせは製造当初とは一致せず、例えば新宿方先頭車はND-320、中間車はKD82A、本八幡方先頭車はKD82といった組み合わせの編成も見られる。
なお、10-000形は試作車が1971(昭和46)年に登場したものの、当初は軌間が異なる6号線(現・三田線)で試運転を行ったため、6000形用のT-6を履いていた。
2010.4.18 東府中-府中競馬正門前 P:高橋一嘉
参考文献
「都営地下鉄10号線用10-000形車両について」東京都交通局車両部設計課(『鉄道ピクトリアル』354号所収/1978年 電気車研究会刊)
2010.4.19作成
LINK これまでに収録した東京都交通局関連の台車