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1964(昭和39)年に登場した名古屋市営地下鉄1号線(後の東山線)の200・600形電車から採用された台車。局の標準仕様に沿ったもので、競作である日立製作所製のものはKH-46、後に登場した住友金属製のものはFS354を名乗る。形態的には1957(昭和32)年の1号線開業時に登場した100・500形が履いたND-107の流れをくみ、名古屋市電で実績のあった静粛性に優れる弾性車輪は引き続き採用、駆動装置は直角カルダンからWNに移行している。その後登場した中間増備車の700形、新形式の300・800形でも採用されたが、これらの増備途中からは改良型のND-111に移行した。
写真は名古屋市営地下鉄からの譲渡車である高松琴平電気鉄道600形603が履くND-110。東山線では第3軌条方式であったものが琴電ではパンタグラフ集電となったため、集電靴が取り外され、その台座だけが残る特徴的な姿となった。
軸距:1800mm 車輪径:763mm
軸箱支持:軸箱守(ウイングばね) 枕ばね:コイルバネ
写真:2005.12.3 瓦町 高橋一嘉
琴電600形は名古屋市営地下鉄からの譲受車で構成される形式。元形式は東山線用250(700形を先頭車化改造した形式)・700形、名城線用1600・1800・1900形の各形式で、250形以外は中間車だが、いずれも250形と同デザインで先頭車化改造が施されており、前面の意匠は統一されている。台車もND-110やFS354など名古屋市から譲受したもの数種があるが、車体と台車の関係は名古屋時代とは異なる。このND-110を履く603+604はもと名城線用の1615+1901。
参考文献:
『日車の車輌史 写真・図面集-台車編』
日本車両鉄道同好部・鉄道史資料保存会(2000年 鉄道史資料保存会)
「住友金属の台車23」鈴木光雄(『鉄道ピクトリアル№472』所収/1986年 電気車研究会)
2006.1.25作成