185系

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「むかしの姿で出ています!」 往年の名車を復活させたリバイバル車両の魅力

2023.12.24

写真:三橋康弘・寺尾武士・松沼 猛

 鉄道車両の個性を表現する効果的な手段として、カラーリングは最有力と言ってもいいでしょう。「東海道新幹線は白地に青帯」「京急と言えば赤」「阪急伝統のマルーン」など、誰もが思い浮かべるカラースキームを用いてイメージの浸透を図ってきた例もたくさんあります。

全部見ました?私鉄各社のリバイバルカラー車両

 一方で、時代によって流行する色合いは変化しますし、列車のコンセプトに合わせて色も含めたデザインが行われ、その多彩さもまた、鉄道の魅力のひとつであることに間違いはないでしょう。

 そんな列車のカラーリングにおいて、ここ数年で拡大しているのがリバイバルカラーです。主にかつて走っていた列車のカラーリングを現役車両に施すもので、当時を知っている人には懐かしさを、そうでない人には新鮮な印象を与えられるということで、「●●周年」といった節目に導入されることが増えています。

 今回は、各地で走るリバイバルカラー編成の中から、私鉄各社の列車をご紹介しましょう。運行期間が発表されていなくとも突如姿を消してしまう例もあるため、気になる車両は早めに乗りに行っておくことをおすすめします。

・バリエーション豊富な東武鉄道
 近年、リバイバルカラー編成を積極的に投入している鉄道会社と言えば、東武鉄道が筆頭に挙げられます。100系スペーシアに1990年デビュー当時のカラーリングを復刻したほか、1960年に登場した「デラックスロマンスカー」を再現した編成も走っています。

 通勤型の8000系には、登場時のインターナショナルオレンジ×ロイヤルベージュ塗装や、‘70~80年代の標準色だったセイジクリーム(どちらも東上線・越生線で運用)、亀戸線・大師線には1950年代の試験塗装を再現した編成を投入するなど、バリエーションの豊富さが特徴です。

・周年記念車両に注目の西武鉄道
 西武鉄道にも通勤型車両に魅力的なリバイバルカラーが設定されています。まずは西武鉄道の創立110周年を記念して設定された茶色い2000系を池袋線・豊島線で運行中。また、多摩川線・狭山線を走る101系には登場時のレモンイエローのほか、1990年まで走っていた通称「赤電」カラーが復刻されました。さらには西武有楽町線40周年を記念し、通常は青帯の6000系の1編成を黄帯にした列車も運用されています。

・前身路線のイメージを復刻させた近鉄
 私鉄最大の路線網を有する近畿日本鉄道のリバイバルカラーは、合併前の前身路線で活躍していた車両のカラーリングを復刻させている点が特徴です。志摩線の前身である三重交通の車体カラーであるクリーム×緑を1440系で再現しているほか、奈良線では大阪電気軌道時代に走っていたデボ1形の塗装をリバイバルさせて5200系に設定。近鉄の通勤型ではスタンダードになっているホワイト×マルーンから、どちらも大きくそのイメージを変えています。

 ほかにも、東急には趣の異なる緑色のリバイバルカラー編成が東横線と池上線で走っているほか、7000系をはじめとする特急用編成カラーを復刻させた6000系を走らせる名鉄、登場時の無塗装ステンレスを復活させた南海など、各社の歴史を現代の車両で表現した列車が各地で走っています。旅行の際など、頭に入れてから出かけると、思わぬ収穫に出くわすかもしれませんね。

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