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吹田の宝、日本の宝…JR貨物EF66 27特別公開イベント

2022.05.22

text & photo:RM
取材日:’22.5.21 場所:吹田機関区
取材協力:日本貨物鉄道

 国鉄時代に登場し、長年貨物列車やブルートレインの牽引で活躍してきたEF66形直流電気機関車。既に旅客会社所属機は全廃されて久しく、JR貨物所属機も0番代では27号機(愛称:ニーナ)ただ1両が現役となっていました。この27号機は更新を受けた後も塗装や装飾が国鉄時代のものをほぼ維持していたこともあり、ファンの間では常にその動向が気にされてきた1両だと言えるでしょう。

▲このイベントのために製作された「惜別」のヘッドマークは、かつての「スーパーライナー」のデザインを基にしています。

 しかし去る3月のダイヤ改正の頃を境に、吹田機関区としてのEF66形の所定運用に一切入らなくなり、臨時の配給輸送などで散発的かつ短距離の運用をされるのみとなってしまっていました。そして、5月9日にJR貨物から発信されたプレスリリースに、「このたび定期運用を終えたEF66 27号機~」という記述があり、ファンの間でも「来るべきものがついに来てしまったか…」という思いを抱かせたのです。

▲ラスト0番代である27号機ですが、更新を受けつつも元の塗装を維持した唯一の経歴の持ち主でもあります。

 しかしこのプレスリリースは、他ならぬこのEF66 27を、配置区である吹田機関区にてファンのために有料にて特別公開するという、粋な計らいの案内だったのでした。5月21・22日の2日間、5回に分けて各回20名・計100名だけが参加できたというこのイベント、報道公開もされましたので、参加できない皆様のためにも特にEF66 27の姿を中心にご覧に入れましょう。

▲左から、EF210-337、EF66 117、EF66 107、EF66 27という吹田機関区所属の主力機が勢揃い(番号の末尾「7」で揃えた?)。EF66 100番代の2両は前期型・後期型から1両ずつという出演ですが、丸型ライトの前期型は既に全車運用離脱しており、ある意味27号機以上のレア出演とも言えました。

▲2エンド側はヘッドマーク無しで展示されました。こちら側のみ、運転室屋上のクーラーが今回の展示に合わせて撤去されています。

 囲み取材に答えてくださった運転士さんによれば、「新しい設計の機関車よりも壊れやすい側面があり、特に重い貨物を牽引する時は丁寧にノッチ扱いを心がけました。運転が難しい部類の機関車でしたが、沿線で見送ってくださるお子さまやファンの方の熱い視線を感じると、『この機関車に関わることができて良かった』と感じました」とのこと。

 かつての「スーパーライナー」のヘッドマークを模した「惜別」のヘッドマークが掲げられていますが、もう二度と本線上で雄姿を見られないと決まったわけではないようです。少なくとも交検の期限が7月、全検の期限が10月まで残っており、それまでは代走や臨時列車で走行する可能性はあるというJR貨物からのコメントがありました。

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