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特集・コラム

100均アイテムで作る!カッコよく鉄道模型が撮れるスマホ撮影ブース

2022.05.23

text & photo:根本貫史(RMM)

↓詳しい撮影手順はこちらから!↓

 デジカメの普及やスマートフォン搭載カメラの高性能化で、写真撮影は誰でも手軽に楽しめるようになりました。鉄道模型でも、自慢の作品や入手したお気に 入りの車両の記録、さらにはレイアウトやジオラマによる情景撮影など、もはや鉄道模型の「楽しみ方」の一つとして確立しつつあります。今回は、室内による撮影環境を「100均アイテム」で構築することからスタート。特別な機材は使わず、身近に入手できるアイテムでキレイに車両の撮影を楽しむ術を紹介します。

■デジカメ&スマホの普及で模型写真の撮影は鉄道模型の 「楽しみ方」の一つに

 冒頭にもある通り、デジカメやスマホの普及により、これまで高価なプロ機材と専門知識が必要だった模型撮影が手軽にできるようになりました。特にスマホカメラの高性能化や写真加工アプリの充実により、本来撮影するには光量の弱い室内でも、「ある程度」撮影することが可能になりました。

 上の写真はスマホカメラでNゲージ車両を室内撮影した例です。その手軽さに任せて「お気に入りの車両をサッと撮影しました」という臨場感が よく伝わるといえば聞こえはいいでしょうが、生活感溢れる背景や、見たままの不安定な画角が写真としてはマイナス点。せっかく記録するのであれば、もう少し気を遣いたいところ。

■室内での撮影は十分な光量の確保が重要!

 スマホカメラの高性能化で室内でも「ある程度」 撮影できるというのは前述の通り。その「ある程度」というのが実のところ模型撮影では重要となる部分。日常のスナップであれば、スマホの高感度機能に依存するだけで撮れますが、被写体が小さい模型の場合、光量が不足すると被写界深度(ピントの合う範囲)がより狭まり、高感度処理によるノイズが増えてディテールが粗くなってしまいます。

 プロによる撮影では、複数のストロボを使い十分な光量を確保しています。被写体の主要面にムラなく光を当てつつ、立体感を強調するための陰影を付ける「ライティング」という技法を使って撮影します。これには専門の機材や知識に、経験値が必須となります。上図は室内ライティングの基本配置です。プロ機材でなくとも、最低限この光源を用意することで、より綺麗に撮影することができます。

■100 均アイテムで作るお手軽ディフューズボックス

 さて、ライティングとなると、やはり専門的で難しく捉えてしまいがちですが、じつは初心者にも優しいライティング撮影方法があります。「ディフューズボックス」という、箱状の簡易撮影セットを使う方法で、ネットショップやオークション出品向けの簡単な商品撮影用として比較的安価で販売されています。ディフューズボックスは、光を透過及 び反射しやすい白地の布やビニール素材でできたボックス内に被写体を配置して撮影します。基本的にトップライト1灯でボックス内に光が反射する構造なので、サイドライトなど補助光源がなくても被写体全体に光が回り込みます。ディフューズボックスを買えば済む話ではありますが、今回は100均アイテムで簡単にできる ディフューズボックスの作り方を紹介します。

■車両撮影の基本となる 「形式写真」を撮影する

 それでは早速この100均ディフューズボックスを使って、車両撮影の基本である「形式写真」を撮影します。形式写真は、側面と正面の比率が7:3(シチサン)になるアングルが基本です。なるべく目線は低く、下から煽らない程度で車体の裾が水平になる位置がベストアングルになります。なお、撮影に使うスマホは、なるべく光学2倍ズームに対応 したもの(デュアルレンズ以上)が理想的です。

▲今回スマホで撮影した形式写真。1枚目(上)のサッと撮影した写真と比較しても、2枚目(下)の写真は本誌などでよく見る安定したアングルで撮影できている。一見キレイに撮れてはいるが、ピントの合い方やライティングなど、写真としてはまだまだ改善点があるので、その方法については次の機会に解説したい(不定期でつづく)。

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