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前回ご覧いただいた大井川鐵道ED90形電気機関車ですが、井川線用のディーゼル機関車DD20形の最大高が2700mmに対してED90は3860mm(パンタ折りたたみ高さ)ですから、実に1m以上の違いがあることなり、当然、従来の井川線規格の線路を走ることは出来ず、また、例え車輌限界をクリア出来ても、通常のポイントではピニオンギアが支障して通過することができません(アプトいちしろ、長島ダム両駅のポイントはピニオンギアの通過用に開通方向の中央部分が開く特別仕様)。このため、搬入場所である新金谷の構外側線から基地であるアプトいちしろ駅(開業までは川根市代駅)までの回送用に製作されたのが、この小径車輪を用いた仮台車です。
ちょっと写真では見難いですが、軸箱の片側を支点に、もう一方にコイルばねを介した軸梁式に似た構造のものです。
仮台車を履いたED90 1。車体自体は意外にも小さく、本来の台車の大きさを思い知らされます。 1990.2.21 新金谷構外側線 P:RM
参考文献:RM LIBRARY96『大井川鐵道井川線』白井 昭(2007年 ネコ・パブリッシング)
2008.9.22作成