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汽車会社が開発した一自由度系台車“エコノミカルトラック”の一種で、1977(昭和52)年に登場した京阪1000系のM車用のもの。エコノミカルトラックは金属製のばねに比べ撓みの大きい空気ばねの特性を生かして軸ばねを省略、軸箱はゴムブッシュを介して台車枠側梁に組み込んだ構造のため、独特の外観を持つ。1959(昭和34)年に京阪1810系で試用されたKS-57を初めとして、京阪、阪急、南海大阪軌道線に採用されたが、特に京阪電車では採用例が多かった。
汽車会社は1972(昭和47)年に川崎重工に合併にされており、このKS-77Aは汽車会社の番号体系による形式ながら川崎重工製ということになる。なお、“KS”を冠する形式も、またエコノミカルトラックも、このKS-77Aが最後となった。
写真は京阪1000系1103号のもの。
軸距:2100mm 車輪径:860mm
軸箱支持:ゴムブッシュ(軸箱梁) 枕ばね:空気ばね
写真:2006.7.26 寝屋川車庫 高間恒雄
更新によって大きく表情が変わった1000系。T車の台車は住友金属製のFS399を履いている。 写真:2006.4.17 滝井-千林 高間恒雄 2006.8.17作成
参考文献:
「台車とわたし8」高田隆雄(『鉄道ジャーナル』№103所収/1975年 鉄道ジャーナル社)
『復刻版私鉄の車両15 京阪電気鉄道』
飯島 巖・青野邦明・諸河 久(2002年 ネコ・パブリッシング)
LINK これまでに収録した京阪電気鉄道関連の台車