text:鉄道ホビダス編集部
1968年に登場したEF81。直流1500V・交流20000V 50Hz・交流20000V 60Hzが混在する日本海縦貫線を直通運転可能な機関車として開発されたため、3電源に対応した交直両用機として、貨物列車から豪華寝台特急まで、オールラウンダー的な活躍を続けてきました。
今回は最後まで「カシオペア」の牽引に充当されていた尾久車両センター所属の4機について見ていきます。
■最後の北斗星色 EF81 80
‘21.11.20 東北本線 白河 P:長井竜平
(鉄道投稿情報局より)
側面に流れ星が描かれ、かつては複数在籍したいわゆる「北斗星色」のEF81も廃車が進行したことで、気がつけばこのEF81 80の1機のみとなってしまいました。
このEF81 80は後述のお召し機EF81 81とともに1978年に富山第二機関区から内郷機関区に転属します。その後1984年の内郷機関区廃止に伴い田端機関区に転入します。それによりJR化後は主に「北斗星」牽引に従事し、1988年以降はカラーリングも流星を描いた「北斗星色」に変更。2022年4月に田端運転所(旧田端機関区)配置車両が全て尾久車両センターに移管されて尾久車両センターに移管され、現在に至ります。
■お召し仕様が眩しい EF81 81
‘23.2.26 常磐線 赤塚~偕楽園 P:井口博元
(今日の一枚より)
EF81 81はEF81 80とともに富山第二機関区から内郷機関区に転属後、1984年に田端機関区へと移ります。ただ、このEF81 81が数あるEF81の中でも注目されるナンバーとなったきっかけが1985年に起こります。それがつくば万博の際に運転されたお召し機に指定されたことです。これにより側面には銀色の帯が入れられたほか、手スリ・開放テコ・連結器が銀色で装飾され、一躍人気の機関車になりました。
「北斗星」運転開始後は多くの機関車とともに流星を描いた「北斗星色」になりましたが、つくば万博から30年が経とうとしていた2014年に往年のお召し仕様に復刻。「カシオペア紀行」最後の営業運転の牽引も務め上げました。
■言わずと知れた「レインボー」 EF81 95
‘24.10.6 東北本線 土呂~東大宮 P:山口八郎
(鉄道投稿情報局より)
EF81 95は1982年に富山第二機関区から直接田端機関区へやってきた機関車です。国鉄最末期であった1987年3月に当時活躍していたジョイフルトレイン「スーパーエクスプレスレインボー」の指定機となり、カラーリングも客車に合わせた赤と白(裾部に黒のラインも入る)の地色に、大きな「EF81」の文字をあしらった派手なカラーリングになりました。
以降この塗装を維持し続け、1機しかいない塗装であることからこちらも長年注目されることの多い機関車でした。この派手な色により、ステンレスボディーの「カシオペア」を牽引するとコントラストが一層際立つのが唯一無二の魅力と言えるでしょう。
■つらら切り付きの赤い機関車 EF81 139
‘25.1.24 東北本線 小山〜小金井 P:石橋良章
(鉄道投稿情報局より)
つらら切り(ヒサシ)が付けられて落成した137号機以降のEF81。このEF81 139もそのグループに当たり、0番代としては末期のナンバーになります。1979年に製造され、最初は東新潟機関区に配置されていましたが、その後長岡機関区へ転属。そのままJR東日本に承継され、この時に密着連結器と自動連結器が切り替えられる双頭連結器を装備し、つらら切りも相まって厳つい顔つきになりました。
その後1998年に青森運転所、2016年には秋田総合車両センターに転属しますが、その直後2017年に田端運転所に転属。そして2022年から尾久車両センター配置となりました。
いずれの機関車もそれぞれ唯一無二の特徴があり、「カシオペア」なき後、いずれの機関車も動向が注目されています。もちろんすでに定期運用もなく、予断を許さない状況であることは確かでしょう。
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デビューから25年以上が経過し、ついに先日運行を終えた寝台列車「カシオペア」。本誌ではそんな「カシオペア」用客車E26系の車両概要を中心に、長年の活躍を貴重な写真と共に振り返ります。
巻頭には読者投稿写真による美しいグラフページを収録。また、EF81やEF510、さらにはED79、DD51などといったバリエーション豊かな歴代牽引機のほか、「カシオペア」と共に北へ駆け抜けた名列車たち、そして現在も乗れるクルーズトレイン・寝台・夜行列車などにも触れて、今も脈々と続く夜行列車たちにもフィーチャーします。
さらには鉄道模型における「カシオペア」の楽しみ方を掘り下げるほか、鉄道玩具といったアイテムとしての目線からも「カシオペア」を振り返り、同列車の集大成に相応しい一冊となります。
タイトル:さらば、寝台列車カシオペア
定価:1,650円(税込)
発売予定日:2025年7月7日