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特集・コラム

高崎のSL列車に新時代! 「GV ・SL ぐんま」試乗会開催

2025.07.03

text & photo:RM
取材日:’25.7.3 試乗区間:信越本線 高崎~横川
取材協力:東日本旅客鉄道高崎支社

 D51 498、C61 20という2両の動態保存SLを有しているJR東日本高崎支社。高崎駅を起点として各方面に「SLぐんま〇〇」という列車名で運行されていますが、終点で機関車の方向転換・付け替えをすることができない信越本線・両毛線ではSLの編成逆端にELまたはDLを連結して、逆行時には「ELぐんま〇〇」「DLぐんま〇〇」という列車名で運転されていました。

 しかし既報の通り、高崎地区のEL・DLは2024年秋までに営業運転を終了してしまったので、これらの列車の運行形態がどうなるのか注目されていたのですが、本来は事業用の電気式気動車GV-E197形に白羽の矢が当たり、極めて異例の編成形態が実現することとなったのです。

▲高崎駅に入線した、GV-E197形を先頭とする試乗列車。

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 今回試乗列車が設定されたのは、信越本線の高崎~横川間。下り列車となる往路が、GVが先頭に立つ「GV・SLぐんま 横川」となります。編成は、横川方からGV-E197-201+GV-E197-202+12系3両+Ð51 498。EL/DL時代は12系が6両連結されていたのに比べ、客車半減というのが気になるところで、チケットのプラチナ化が進んでしまうかもしれませんね。

 さて、GV-E197形の本来の主な役目は砕石輸送用で、編成両端に動力車であるGV-E197形、編成中間にホッパ車のGV-E196形を連結するのが基本形態。問題となるのは、「自動ブレーキの車両に牽引されることをあまり考慮していない構造」ということで、つまりSLが先頭に立つ場面で、編成全体にブレーキを掛けるにはどうするのか、が課題となりました。そこでGV-E197形から特に2両が抜擢され、自動ブレーキ搭載車の被牽引に対応するための読替装置を搭載し、200番代という専用番代が与えられたのです。現状ではこの2両(TS08編成=201・202)だけがSL列車に使用することができることになりますし、逆にこのTS08編成は砕石輸送用としては通常は使用されないとのことです。

▲安中総合学園高校・観光ビジネス系列の生徒の皆さんによるおもてなしの実演。

 客車の車内では、安中総合学園高校・観光ビジネス系列の生徒の皆さんによるおもてなしなどが行われ、無事に横川に到着。実際の営業運転開始は、「GV・SLぐんま横川」が7月19日(土)、「GV・SLぐんま桐生」が7月21日(月・祝)となる予定です。ちなみに両毛線では信越本線とは逆で復路がGV牽引となりますのでご注意ください。

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P:RM

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