185系

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特急「くろしお」60周年! 「スーパーくろしお」カラーが蘇った!

2025.07.04

text & photo:RM
取材日:’25.7.4 場所:吹田総合車両所日根野支所
取材協力:西日本旅客鉄道

 関西と南紀方面を結ぶ特急「くろしお」は、2025年3月1日で運行開始から60周年を迎えました。それを記念したラッピング列車が、7月5日から運行開始となります。

▲かつての381系「スーパーくろしお」カラーのクハ381形をモチーフとした記念ラッピング列車。

 ラッピングは6両編成の両先頭車に施されるもので、1989年から運行した381系「スーパーくろしお」をイメージしたデザイン。ヘッドマークは60周年限定のデザインが貼付されています。

▲特急シンボルマーク、ドアレール、タイホンといった立体ディテールがラッピングとして再現されているところも見もの。

 前述の通りラッピングは両先頭車のみに施されており、その全長のおよそ3/4のところまで赤・オレンジの暖色系ストライプが入り、その後グラデーション状に287系として通常の寒色系ストライプに変遷しているという、なかなか凝ったラッピングと言えるでしょう。

▲スペシャルラッピングと通常塗装との境目がグラデーション状となっている。

特急「くろしお」ミニヒストリー
〇1965年3月1日…天王寺~名古屋間を阪和線・紀勢本線・関西本線経由で結ぶ列車として運転を開始。使用車両はキハ80系で、途中からキハ81形も合流。
〇1978年10月2日…紀勢本線・和歌山~新宮間電化により、「くろしお」は天王寺~白浜・新宮間に短縮。使用車両は振り子式381系電車に変更。名古屋~新宮・紀伊勝浦間は「南紀」に系統分離。
〇1989年7月22日…改造によって誕生したパノラマグリーン車を連結する「スーパーくろしお」の運行を開始。専用編成は381系の塗色を白地に赤・黄のラインが入るものに変更した。また、天王寺駅構内の阪和短絡線の完成により、梅田貨物線を経由して新大阪・京都まで直通運転も開始された。
〇1996年7月31日…283系「オーシャンアロー」が戦列に加わる。列車名は変遷の後、現在は「くろしお」に統合。
〇1998年12月…「スーパーくろしお」「くろしお」両仕様の381系へのアコモ改善工事が始まり、283系に準じた白とオーシャンブルー・青色の塗り分けに統一され、「スーパーくろしお」塗装は順次消滅。
〇2012年3月17日…新製投入の287系による運転を開始。381系の一部が置き換えられる。
〇2015年10月31日…683系からの直流化改造車である289系による運転を開始。381系の置き換えが完了。
〇2023年3月18日…大阪駅地下ホームが開業し、初めて大阪駅へ乗り入れる。

▲こちらは貫通型前面の先頭車。

 このラッピング編成は、営業初日となる7月5日は団体貸切列車として〈往路〉神戸~北方貨物線~新大阪・大阪~白浜 〈復路〉白浜~天王寺という経路で運転されます。普段「くろしお」が走らないルートも含まれるので、撮影ファンの注目を集めることでしょう。

 

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