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地域で表情を変える「東海道本線」 通勤電車に現れる違いとは

2024.02.08

photo:寺尾武士・ 松沼 猛・Studio EVO

▲東海道線・上野東京ライン・湘南新宿ラインは国府津車両センターと小山車両センター所属のE231系近郊タイプ・E233系3000番代が活躍する。また、常磐線のE231系0番代・E531系が上野東京ライン経由で品川まで乗り入れる。

 日本の大動脈である東海道本線。東京を起点に、静岡、名古屋、米原、京都、大阪を経て神戸にまで至る路線ですが、地域の足となる通勤電車はそれぞれのエリアごとに性格が少しづつ異なります。

【写真】一番馴染みのある「東海道本線」は?各エリア別の車両を見る!

■東京エリア

 JR東日本管内となる東京〜熱海間を中心に運転される東京エリアの東海道本線ですが、朝夕はJR東海管内となる沼津駅にも乗り入れています。また、東京から宇都宮線・高崎線・常磐線に直通する上野東京ラインや、新宿経由で宇都宮線・高崎線に直通する湘南新宿ラインも運行しており、中・長距離輸送も行なわれています。そのほか山手線が品川まで、京浜東北線が横浜まで、横須賀線が大船まで並行しており、特に山手線と京浜東北線は首都圏の近距離輸送を担う重要なポジションです。電車の編成は10両や15両の長大編成で、4ドアのロングシート(一部車両はセミクロスシート)を備える車両が主体で、これにより大量輸送を実現しています。

■静岡エリア

 JR東海の静岡県内、静岡・浜松を中心としたエリアです。車両は静岡車両区の313系・211系といった近郊型を中心に、大垣車両区の313系も静岡〜豊橋間で運用。また、JR東日本の車両も沼津まで乗り入れています。2022年には中央本線から転属してきた元「セントラルライナー」の313系8000番代も運用を開始。塗装も他の313系とは異なるほか、車内も転換クロスシートのゆったりした装備を持っています。列車の編成も3両、2両といった短めの編成を併結させたりして、フレキシブルに変化させているのが特徴といえます。

■名古屋エリア

 ここは大垣車両区の電車が受け持つエリアで、名古屋を中心に特別快速や快速のほか、新快速の運行もなされます。なお、名古屋エリアにおける新快速は、後述のJR西日本におけるそれとは意味合いが異なります。名古屋エリアでは一番停車駅が少ないのが特別快速で、この特別快速の停車駅のほか大府駅にも停車するのが新快速という位置付けになります。車両に関しては、主力となる313系は座席のレイアウトや編成両数、ブレーキの違いによって10種類もあるのが特徴です。さらに近年では311系の引退が始まっています。

■関西エリア

 米原からはJR西日本管内となり、網干総合車両所の電車が京阪神区間を中心に新快速や快速といった種別を運行しています。新快速は特急等を除いてこの区間の最速達種別であり、一部区間では130km/h運転も行なわれています。また、北陸本線・湖西線敦賀方面や赤穂線播州赤穂にも乗り入れるロングラン列車としても知られています。また、網干総合車両所明石支所の321系・207系といった通勤型を使用した普通列車が京都〜明石を中心に運行されているほか、JR宝塚(福知山)線やJR東西線・学研都市(片町)線にも乗り入れるなど、各地に直通する地域輸送も盛んです。

 東海道本線としては神戸が終点となりますが、この関西エリアは京都〜大阪間が「JR京都線」、大阪〜神戸〜姫路(山陽本線)が「JR神戸線」と案内されることが多く、神戸から先の山陽本線区間も一体的に運行されています。

 このように路線距離が長く、JR化によって東日本・東海・西日本と3社を跨ぐことによってそれぞれの地域性がより色濃く出るのが東海道本線の特徴の一つでしょう。書類上は同じ路線でも、全く違う路線のように見える理由は、それぞれのエリアに特化した結果とも言えます。

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