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まるでカボチャ? 国鉄の時代を象徴する「湘南色」ってどんな色? 【コラム「湘南色」第1部】

2023.02.06


 「国鉄色」というワードを聞いたことがある人は、若い世代にも多くいるのではないでしょうか。この国鉄色というのは、国鉄が制定した車両の標準色のことを指します。国鉄時代末期には地域毎にいろいろな車体色が登場し、その地域のアイコンとしても活躍していました。

 やがて国鉄の時代が終わり、1987年にJRが発足してからは各社独自のカラーが生まれましたが、そんな中で今も受け継がれている国鉄色があります。そんな国鉄色パイオニアとも言える湘南色を3回に分けて紹介したいと思います。

・カラフルな国鉄色のパイオニアだった湘南色
 湘南色はオレンジ色(黄かん色)と緑色(緑2号)のツートンカラーです。窓周りをオレンジ色、車体の上下を緑色に塗り分けられていて、その風貌から「カボチャ」と呼んでいる人もいます。

 湘南色が登場したのは1950年のこと。当時の電車の国鉄色は茶色(ぶどう色)一色が標準で、その中でひときわ目立つ湘南色は画期的でした。そして、直流近郊形電車・直流急行形電車の標準色となり、かつてはJRの直流電化区間のほとんどで見ることができました。

 しかし、JR独自カラーや地域色への塗り替え、さらには国鉄形車両の引退が進み、現在ではJR西日本岡山電車区の115系D-26・D-27編成の2編成が山陽本線・赤穂線・宇野線・伯備線・福塩線を運行しているだけとなっています。

現在JR線を走る最後の湘南色編成のひとつ岡山電車区115系D-26編成。 ’17.5.1 山陽本線 岡山 P:寺尾武士

 115系D-26・D-27編成は新造以来湘南色を守り続けている編成。つまりリバイバルカラーではありません。2019年3月までは瀬戸大橋を渡って四国、香川県の琴平駅にも乗り入れていました。

 鉄道150年を迎えた2022年は、115系湘南色編成を使用したイベント列車として急行「鷲羽」を運行して注目を集めました。また、11月には京都鉄道博物館で特別展示が行われるなど、湘南色の人気は非常に高くなっています。

 今後岡山地区には新型車両227系「Urara」が101両導入され、国鉄形電車を置き換えていく予定となっており、115系湘南色編成の今後の去就が注目されます。

2022年11月3〜6日に京都鉄道博物館で特別展示された115系D-27編成。 ’22.11.4 京都鉄道博物館 P:寺尾武士


・しなの鉄道に残る湘南色
 JR以外では、長野県にあるしなの鉄道で115系S3編成が湘南色で走っています。しなの鉄道は北陸新幹線の並行在来線として経営分離された信越本線軽井沢〜篠ノ井間・長野〜妙高高原間を運行している第三セクターです。経営分離に際して信越本線で使用していた115系・169系を譲渡され、オリジナルカラーに塗装して使用しました。

 2017年7〜9月に開催された長野デスティネーションキャンペーンに合わせ、しなの鉄道は長野県に縁のある車体カラーを復刻。その第2弾としてS3編成湘南色が2017年5月に登場しました。2019年5月にはS25編成も湘南色にリバイバルしています。しかし、後継車のSR1系の導入により115系の置き換えが進んでいて、S25編成は引退。現在はS3編成が残るのみとなっています。

しなの鉄道115系S3編成 ’19.3.19 しなの鉄道しなの線 戸倉 P:松沼 猛

 115系湘南色が登場する以前の2008年には、信越本線軽井沢〜関山間開業120周年を記念して169系S52編成を湘南色に塗り戻され、快速「リバイバル信州」などに使用されたことがあります。S52編成は2009年3月にオリジナルカラーに戻されましたが、翌2010年9月に湘南色が復活。169系の定期運用は2013年3月に終了しましたが、その後S51編成は湘南色となり、同年4月29日の引退までイベント列車に使用されました。

 S51編成(クモハ169-1・モハ168-1・クハ168-27)は現在、しなの鉄道坂城駅で保存されていて、オレンジ部分が細い直流急行色を見ることができます。

直流急行色で保存されている169系S51編成(クモハ169-1・モハ168-1・クハ168-27) ’15.5.17 しなの鉄道 坂城 P:松沼 猛

 第2部は「湘南色の由来」についてご紹介します。記事のアップは12時頃を予定していますので、お楽しみに!

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