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特集・コラム

鉄道駅といっても色々楽しみ方があるんです。「駅」をテーマにした三者三様の鉄道模型作品!

2022.10.30

text:鉄道ホビダス編集部

 鉄道路線において、旅客が乗降する「駅」というのは鉄道と人とを繋ぐ重要な接点でもあります。もちろん駅は鉄道模型でも同じく重要な情景のひとつであり、古くから製品や作品の題材として定番となっています。今回はそんな「駅」にスポットを当て、過去鉄道ホビダスWebサイト上で紹介してきた駅の情景たち3つをピックアップ。それぞれの楽しみ方を紹介していこうと思います。

↓ 各作品画像のダイジェストはこちらから!↓

■私鉄ローカル線の終点を思わせる風情が魅力!「紙製」キットで作る頭端駅

text & modeling:瀧口宜慎(RMM)
photo:羽田 洋(製作写真以外)

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 ドーム状の大きな屋根に覆われた頭端式のターミナル駅はなんとも趣があって魅力的です。地方私鉄の始発駅や終点駅で採用されるそれは、同じ頭端式でも大手私鉄の持つダイナミックな様子のそれとは異なり、瀟洒で奥ゆかしいまた別の魅力にあふれています。ここでは、甲府モデル製ペーパーキットを作りながら、組立のポイントやコツ、追加したいアイテムなどを紹介した記事になります。

 制作途中の反省点はありながらも、全体的には甲府モデルのペーパーキット自体の完成度の高さもあり、ローカル私鉄のターミナルという印象を捉えた作例になったかと思います。

■模型でも「駅前再開発」!デッキを置くだけで変わる駅前風景を模型で再現

text & photo:根本貫史(RMM)

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 地方都市の駅前などでよく見かける「ペディストリアンデッキ」は、 駅利用者を安全かつ円滑に誘導する歩道という機能だけではなく、 駅自体を大規模に変貌させる存在です。そんなペディストリアンデッキの製品をリリースするのはトミーテックの情景コレクションシリーズ。今回はこの製品を使って実際に駅前を再開発しながら、ペディストリアンデッキの設置効果をご覧いただきましょう!

▲再開発前の駅前全景。時代設定としては1980年代後半ぐらいの地方都市の私鉄駅を想定。駅舎は再開発計画に合わせて改築したばかり。 駅前の商店を囲うように路線バスのロータリーがあり、手前の都市道路からの動線も悪く、道が狭いため危険も多い。

 模型的に見れば少し古風だった駅前を、一気に現代風に進化させて近代化していく形になります。もちろんそうすることで似合う車両や車が変わってきます。「レイアウトの設定年代を変える」という意味合いを持たせることもできるのが鉄道模型流の再開発です。

▲再開発により大きく変貌を遂げた現在の駅前。上記の写真と比較すると、その 変化がよくわかる。ペディストリアンデッキにより駅への動線が安全に保たれ、 バスロータリーもゆったりした配置になった。また、都市道路も拡幅され、ロータリーへの左折レーンも設けられたので、車の流れは円滑になった。

 と、このように、実際の再開発と同様のストーリー性を持たせてレイアウトの駅前を配置変えしてみると、以前の面影を残しつつ新しい雰囲気にすることができるので、よりリアルに情景を楽しむことができます。さらに作例では走っている車やバス、周辺の建物も近代的にすることでまた印象を変えています。

■実在する小さいホームの秘境駅をNゲージで作る!初心者が挑戦した駅ジオラマ

text & modeling & photo(特記以外):上石知足(鉄道ホビダス)

P:浅水浩二

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 伯備線内に存在しながら、その駅は伯備線の列車では降り立つことができない───。そんなちょっと一風変わった駅が岡山県は新見市に存在します。それがこの「布原(ぬのはら)駅」です。この駅へ列車で行くには伯備線の列車ではなく、新見から発着する芸備線直通のディーゼルカーに乗る必要があります。この駅近辺はかつてSLが現役だった当時は撮影名所として名高く、現在でも伯備線を行き交う国鉄型を撮影する名スポットとしてレイル・ファンの間ではよく知られた駅ではありますが…。今回はそんな布原駅をジオラマで再現するのにチャレンジしてみました!

 何事も「百聞は一見に如かず」。ということで、実際に布原駅まで足を運び、どんな駅かを見てきました。駅は2面2線の列車交換可能な駅で、乗降ができるのは芸備線直通の列車だけですが、交換のための運転停車で伯備線の列車も停車します。

 カーブの途中に駅が存在する布原駅。となるとやっぱり模型でもカーブ上に駅を設置したい上に、カントが欲しくなるというもの。ということでベースとなるレールは複線カントレールに絞り込み、そこからなるべくRの緩いものが良いと思ったので、今回はKATOのR480複線レールを基準に作りました。
 土台にはスタイロフォームを使用。というのも、他の線路と接続してモジュール的に遊べることも想定はしつつ、基本的には「撮影台」として活用したかったのと、やはりその加工の手軽さから選びました。


P:浅水浩二

 完成したジオラマがこちら。実際の布原駅が鉄道の撮影ポイントとしても有名なことから、撮影台としても機能できるように作ってみました。381系が振り子で車体を傾けて曲がっていく様はまさに伯備線のイメージにぴったり。実際では列車交換も度々行なわれるため、車両を並べ置いて撮ったり飾ったりするもの良いでしょう。

 さて、一言で「駅」といっても都心部の駅や地方都市の駅、はたまた1日に数人しか利用しないような山奥の小さな駅まで様々です。また、それぞれの駅ごとに違った魅力があったり、似合う車両がいたりします。ぜひ皆さんも自分の「好き」を駅で表現してみてはいかがでしょうか?

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