185系

特集・コラム

デッキ一つで変わる街並み!鉄道模型的に「駅前再開発」を再現して楽しむ!

2022.06.12

text & photo:根本貫史(RMM)

 地方都市の駅前などでよく見かける「ペディストリアンデッキ」は、 駅利用者を安全かつ円滑に誘導する歩道という機能だけではなく、 駅自体を大規模に変貌させる存在です。そんなペディストリアンデッキの製品をリリースするのはトミーテックの情景コレクションシリーズ。今回はこの製品を使って実際に駅前を再開発しながら、ペディストリアンデッキの設置効果をご覧いただきましょう!

◆鉄道ホビダスでは鉄道模型入門記事を続々掲載中です!

↑詳しくはこちら↑

■情景コレクションのペディストリアンデッキ

 情景コレクションのペディストリアンデッキ は、バスコレ走行システムの道路規格に準拠した設計で、通路や階段などユニット単位で自在 に組換え、または複数セットを増設することが できます。また、デッキ下を高めに(45mm)設定しているので、路面電車との組み合わせも可能としており、またその高さはTOMIXの橋上駅 舎(近代型)と同レベルなので、付属の連絡口パーツを使用することで、駅舎との接続も可能です。 ほかにもエレベータも付属しているので、バリアフリー対策も万全! 近代的な中規模地方都市 駅が簡単に再現できる画期的な製品です。

▲ペディストリアンデッキの基本内容。塗装済の組立てキット形式だが、構成はいたってシンプル。ユニット単位で組換えが可能なので、複数セットを組み合わせて規模を拡大することも容易だ。

■再開発前

▲再開発前の駅前全景。時代設定としては1980年代後半ぐらいの地方都市の私鉄駅を想定。駅舎は再開発計画に合わせて改築したばかり。 駅前の商店を囲うように路線バスのロータリーがあり、手前の都市道路からの動線も悪く、道が狭いため危険も多い。

 まずは再開発前として古き良き私鉄駅の情景をご覧いただきます。バスが出入りするのにも関わらず見るからに狭い道や、そこを横切る横断歩道など、利用者目線に立ってみると危険な箇所が多くみられる駅前です。
 模型的に見れば少し古風だった駅前を、一気に現代風に進化させて近代化していく形になります。もちろんそうすることで似合う車両や車が変わってきます。「レイアウトの設定年代を変える」という意味合いを持たせることもできるのが鉄道模型流の再開発です。

▲都市道路からロータリーへ続く一方通行の路地を、大型バスが左折する。ラッシュ時は左折するバスで都市道路の流れが悪くなり、何より路地の歩行者は危険だ。

▲再開発前の駅前ロータリー。狭い路地に、鉄道と住宅街 を結ぶ幾多の路線バスが乗り入れてくる。

■開発途上

▲都市道路沿いの商店が整理され、暫定的に道路を移設。拡幅スペースは確保されているが、ロータリーの工事が終わるまで は車線は片側1車線のまま。駅前にはペディストリアンデッキの姿が見え始めている。

 今回はその過程が分かりやすいように、開発途上の姿も再現。まだまだ作りかけ、暫定的な雰囲気を工事途中のペディストリアンデッキや、拡幅工事のみが終わっただけの駅前道路などで表現してみました。

■再開発後

▲再開発により大きく変貌を遂げた現在の駅前。上記の写真と比較すると、その 変化がよくわかる。ペディストリアンデッキにより駅への動線が安全に保たれ、 バスロータリーもゆったりした配置になった。また、都市道路も拡幅され、ロータリーへの左折レーンも設けられたので、車の流れは円滑になった。

 再開発後の姿は特にバスと歩行者の動線が改善されているのがよくわかるかと思います。横断歩道は廃され、歩行者はペディストリアンデッキ上を、バスを中心とした自動車はその下を走り、動線が完全に分離されたことで安全性が高まりました。さらに駅前ロータリーが新設され、雰囲気もより近代的に進化しました。
 と、このように、実際の再開発と同様のストーリー性を持たせてレイアウトの駅前を配置変えしてみると、以前の面影を残しつつ新しい雰囲気にすることができるので、よりリアルに情景を楽しむことができます。さらに作例では走っている車やバス、周辺の建物も近代的にすることでまた印象を変えています。

▲ペディストリアンデッキと都市道路の歩道橋を接続したことで、横断歩道は廃止された。

▲ 開発後のバスロータリー。バス停は方面別に停留所が分離され、より利用しやすくなった。

 「再開発」に持ってこいな情景コレクションシリーズのペディストリアンデッキ。ぜひ自宅のレイアウトの近代化をしてみてはいかがでしょうか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加