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特集・コラム

旧新橋停車場「貴賓室」で、再び南 正時さんのトークショー開催!

2022.02.20

text & photo:RM
取材日:’22.2.19 場所:旧新橋停車場
取材協力:公益財団法人 東日本鉄道文化財団

 旧新橋停車場では昨年9月21日から2022年3月6日まで、ロングランで南 正時さんの写真展「鉄道写真家・南 正時作品展~蒸気機関車のある風景~」を開催中です! そのギャラリートークという位置づけのトークショーが2月19日に開催されました。昨年11月27日につづく2回目で、展示作品も昨年12月から後期としてすべて入れ替わっていることからトークの内容もすべて目新しい内容となっていました。

▲和装がトレードマークの南さんだが、近代洋風建築でのトークショーだけに洋装で登場(?)

▲ニス色の壁面、天井からぶら下がるシャンデリア、分厚いカーテンなど、貴賓室の雰囲気も楽しめました。

 会場は前回と同じく、旧新橋停車場2Fの貴賓室。普段は公開されていないのですが、豪華な装飾で明治期の文明開化の薫り漂わせる上質な空間です。このスペースに入ることができるだけでも、このトークショーの大きな余禄ということもできましょう。

▲進行は、東日本鉄道文化財団の反町事業部長。ご自身レイル・ファン、撮影ファンとのこと。

▲展示中の作品での、色調修復の模様を説明する比較写真。

 さらに今回の新たな趣向として、デジタルデータ化によるフィルムの色調修復について、南さんが実践してきたノウハウも披露されました。加工前と加工後を並べて画面に投影し、具体的にどういう手順でスキャン、修復していくのか…今のソフトはよくできていて、ごくわずかでも階調が残っていれば、かなりの程度まで修復が可能。ただし、色味の記憶は自分の中にしかないので、撮影者自身が調整を行う必要がある、集中して作業しても、1日で処理できるのは3~4点である…というようなお話に、参加者の方もうなずくことしきりでした。

▲湧網線でのちょっと日本離れした情景は、偶然にも映画監督の山田洋次さんもお気に入りの場所で、後に面会した時に意気投合したとも。

 展示中の作品を基に語られたエピソードでは、かつてのNHKの朝ドラ「すずらん」でロケ地として留萌本線恵比島駅が選ばれた(劇中では「明日萌駅」として登場)のは、当時NHKのプロデューサーから助言を求められた南さんが進言したもの…などというウラ話も披露されました。また、SLの煙というのは本来は白いものであって、しかも夏季にはほとんど見えないのが理想的な燃え方。現代の動態保存運転で、サービスで黒煙をもうもうと発生させているのは私は好きではない…という辛口のトークも。

▲トークショー終了後、図録へのサイン会も行われ、にこやかに会話をされながら丁寧にサインを認めておられました。

 ロングランの写真展も3月6日までと、残り2週間ほど。それと入れ替わるように、今度は大宮の鉄道博物館にて、「蒸気機関車のある風景 西日本編」がスタートします。良き時代の鉄道風景を愛するすべての方におすすめしたい写真展、ぜひお見逃しなく。

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▲旧新橋停車場の建物外観。

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