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特集・コラム

旧新橋停車場 南 正時さん作品展~蒸気機関車のある風景~後期開催スタート!

2021.12.18

text & photo:RM
取材日:‘21.12.17
取材協力:東日本鉄道文化財団、旧新橋停車場

 新橋駅最寄りの「鉄道歴史展示室 旧新橋停車場」にて開催中の鉄道写真家・南 正時さん作品展「蒸気機関車のある風景」が、12月11日よりすべての作品を入れ替えて後期スタートとなった。

▲都心の真ん中とは思えないほど静寂な空間。洋風の調度で落ち着いた雰囲気の中、作品を味わえる。

 本展は、昨年10月~本年1月まで大宮の鉄道博物館で開催された同名の展覧会をもとに開催されるもので、前期ではそのうちの「東北の蒸気機関車」「会津の蒸気機関車」からの作品が展示されたが、後期では残りの「北海道の蒸気機関車」「甲信越の蒸気機関車」「北陸の蒸気機関車」の3テーマで展開される。つまり前期・後期の両方を見ることで、鉄道博物館での展覧会がほぼすべて再現されるという趣向だ。

▲今回は上記3つのテーマで作品を展開。

 北陸地方は福井県出身の南さんにとっては地元にあたり、特に越美北線の8620が川遊びをする児童の横を走る夏休みらしいカットは本展の代表作と言える。また人気のテーマである北海道では、意外にも「ニセコ」のC62重連は1点しか展示されておらず、それどころか南さんが撮影したのが当のこのカットだけ…というエピソードに驚かされた。当時アマチュアカメラマンがこぞって撮影した対象だったが、プロである南さんは「全国にはまだまだ魅力的な蒸機が多く、1ヶ所で粘るよりも様々な地点を回ってみたかったのだ」と、当時の心情を語ってくださった。

▲この作品が、南さんが撮影した唯一のC62重連のカットだとか。

 前期展のレポートでも触れたが、この旧新橋停車場の鉄道歴史展示室は、明治時代に日本最初の鉄道の起点であった新橋駅の駅舎を再現したもの。折しも来年は鉄道150周年を迎えるが、まさにその最初の一歩を記した場所で、長い間鉄道を支えた蒸気機関車の写真展が行われる意義は大きいと言えよう。

▲土日を中心に、南さん自身が在廊していることも多く、気軽にエピソードを尋ねてみてはいかがだろうか。

 会場では図録も販売中。交通至便、入場無料のこの機会をぜひ見逃さずに観覧いただきたい。

開催日時(後期としての)
 2021年12月11日(土)~2022年3月6日(日)
 年末年始は12月29日(水)~1月3日(月)休業
 10:00~17:00
 月曜休館

会場
 鉄道歴史展示室 旧新橋停車場
 東京都港区東新橋1-5-3

入館無料

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