text & photo:RM
取材日:’21.8.5 場所:南栗橋車両管区
取材協力:東武鉄道
東武鉄道では、6月にデビューした100系「スペーシア」リバイバルカラーにつづき、特急「りょうもう」用の200型をその先代にあたる1800系カラーリングとした編成を登場させ、8月5日、報道公開された。
今回のリバイバルカラー企画は、100系「スペーシア」、200型「りょうもう」が相次いで登場30周年を迎えたことを記念するもの(厳密には、両系列とも製造開始は1990年、つまり登場31年目)。登場から30年というと、鉄道会社によっては既に廃車や格下げなどが行われても不思議ではない経年だが、この両系列に関して言えば極めて良好に保守がなされ、今も登場時と変わらぬ第一線の特急として活躍中だ(200型に関して言えば、登場時は「急行」であったのが「特急」へと格上げすらされている)。
▲精悍な流線形先頭部に、見慣れぬカラースキームが強いインパクトを醸し出している。
200型は、100系に比べるとビジネス需要の多い伊勢崎線・桐生線系統の特急「りょうもう」で使用されており、誕生後一度も大きな塗装変更を受けていない。そこで「リバイバルカラー」企画にあたっては、その先代車両である1800系の赤地に白帯という塗色が選定された。
▲浅草方6号車から見た編成全体。
▲窓廻りにアクセントとして白が入っているところも1800系からの引用だろう。
1800系は1969年に初めて急行「りょうもう」専用系列として登場。急行用ながらほぼ特急用に準じた内装を備え、高い人気を誇った。1998年限りで「りょうもう」の運用から撤退しており、一部車両は発電ブレーキ・抑速ブレーキを装備した300型・350型へと改造され、うち350型(4連)は今も3編成が活躍中。また、1800系として最後まで活躍したのは最終増備編成1819Fで、団体臨時列車用として2018年まで運用された。
▲1800系として最後まで活躍した1819Fの最末期の雄姿。
’18.5.20 東武鉄道伊勢崎線 曳舟~東京スカイツリー P:徳丸大樹
(今日の一枚より)
▲車体側面に上下2本入る白帯は、幕板部のものが側面先端で切れ、腰板部のものは先頭部に回り込んでいる。
今回、「1800系カラーリング」が施された200型は9編成存在(250型を含む)するうちの205編成。従来の塗色が白地に赤帯というものだったので、イメージは180度転換。流線形の先頭部を際立たせる非常に精悍なカラーリングと言えるだろう。モデルとなった1800系は先頭部が切妻形状だったので、前から見ると受ける印象がかなり異なるが、側面などは横長の大きな窓に上下に白帯という点では往年を彷彿とさせるのに十分な仕上がりと言えるだろう。
▲伊勢崎・赤城・葛生方の1号車から見た編成全体。
▲幕板部の白帯の幅は、方向幕の上下寸法に揃えられているようだ。1800系のそれよりはだいぶ太め。
そして実はリバイバルされたのは外観塗色だけではない。車内のシートのモケットが、1800系時代におなじみであった濃い明茶色のものに張り替えられている。60~70年代の流行色、今見るとリッチな感じが醸し出されていて魅力的だ。なお、この205編成は登場時は「DRC」(100系の前身にあたる「デラックスロマンスカー」1700・1720系)のシートを流用していたが、後に新造品に交換されている。
▲1800系時代に明茶色単織モケットが復活した室内。
▲3号車浅草寄りの、車いすスペース部分。
この205編成は8月7日(土)よる運行開始予定。「1800系リバイバルカラー」はさらにもう1編成、209編成にも施されると発表されている。
なお、東武鉄道公式YouTubeチャンネルにて、この200型「1800系リバイバルカラー」の塗装作業の模様を収録した、極めて貴重な動画がアップされている。
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