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特集・コラム

夜間作業の舞台裏!~日比谷線上野駅2番線ホームドア設置工事~

2020.12.12

取材日:’20.12.11
text & photo:廣瀬 匠(RM)
取材協力:東京地下鉄

 東京メトロでは2021年春のダイヤ改正で終電の繰り上げ実施を発表しており、その理由の一つとして夜間作業の時間確保を上げている。今回は、2020年12月11日に報道公開された、東京メトロ日比谷線上野駅2番線のホームドア設置の夜間工事の様子お届けしていく。

🔶東京メトロの終電繰り上げ発表についてはこちら

■増える作業、課題となった作業時間

 夜間作業には、今回報道公開されたホーム上での作業のほか、線路の保守など様々な作業が存在する。それらの作業は主に営業運転が終了し、車両が入庫したのちに行われる。これは、線路内での作業のため営業列車が進入できないように線路閉鎖したり、架線の電気を止めたりするためである。 東京メトロの夜間作業件数は現在1日200件、8年前の約1.4倍にも増加している。そのため、作業時間の確保は喫緊の課題となっており、終電繰り上げは以前から検討されていたという。

■ホームドア輸送列車到着!

 終電後の25:11、東京メトロ日比谷線上野駅1番線(中目黒方面)を1本の列車が通過した。日比谷線千住検車区から来たホームドア輸送列車だ。一度上野駅を通過し、仲御徒町駅にて折り返したのち、上野駅2番線(北千住方面)に入線する格好だ。

 このホームドア輸送列車は昼間に千住検車区竹ノ塚分室にてホームドアの積み込みを行い、千住検車区に回送されたのち、夜間に北千住駅構内~人形町間で線路閉鎖を行った上で運転された。編成は東京メトロ千住検車区所属13000系13115Fが担当した。

■わずか一時間半でホームドアの固定作業まで

 25:20、ホームドア輸送列車が2番線に到着すると、ホームの両端から搬出作業が開始となる。
 ホームドアは台車が付いた状態で積載されているため、まず台車の固定具を外し、二人がかりで慎重に降ろしていく。

▲二人がかりで慎重にホームドアを降ろしていく。

 ホームドアが車両から降ろされると、決められた場所に順次仮置きされていき、台車を外し、固定作業が行われる。ホームドアは大きいものは650㎏、小さいものでも250㎏あるため、固定作業は4人がかりで行われた。

■ホームドア設置完了後も作業は続く…

 ホームドアの設置作業は2:40には完了し、ホームドア輸送列車も2:50には千住検車区へ向けて回送されていったが、作業は線路上でまだまだ続く。

▲ホームドアの固定確認など、息つく間もなく作業は次の段階へ。

 輸送列車が出発した後、作業員は線路上に下りて固定の確認、建築限界の測定などを行い、本日の作業の仕上げを行っていく。
 なお、設置後も配線作業などが引き続き行われるため、すぐに供用開始とはならない。当駅ホームドアの供用開始は2021年3月下旬を検討しているとのこと。

 東京メトロでは2025年度までに全駅のホームドアを設置することを目標としており、今回の取材からも、夜間作業の時間確保は喫緊の課題であることが改めて実感できた。

 なお、始発を繰り下げて作業時間を確保するというのは、郊外からの列車接続などの観点から実施しないとのことである。

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