前回に続き富山地鉄です。地鉄に乗ったら見ておきたいものの一つに「DL」があります。ご存知の方も多いと思いますが、このDLとは除雪用のもので、その形態はいわゆる「モーターカー」に属するもの。とは言え、地鉄の場合、除雪用は「機械」ではなく車籍を有する「鉄道車輌」という点が特筆されます。今回は車窓から垣間見た4輌をご覧ください。
まずは大きな方から、新魚津駅にいるDL-12です。1974(昭和49)年新潟鐡工所製で、片方にラッセルヘッド、片方にロータリーを装備。各地でよく見かける、いわゆる「排モ」の形です。 2009.6.14 新魚津 P:高橋一嘉
こちらは同型機のDL-11。すでに除籍されていますが、上市駅構内に姿をとどめていました。2009.6.14 上市(車窓から撮影) P:高橋一嘉
続いて電鉄黒部駅にいるDL-1。かつての保線用モータカーの定番、GMのアクセサリーキットでも御馴染みの富士重工TMC100系です。入線は1963(昭和38)年。以前は北陸鉄道や南部縦貫鉄道にも同種の「車輌」がいました。
2009.6.14 電鉄黒部(車窓から撮影) P:高橋一嘉
同型機のDL-2は上市駅のホームの向こうに。小さいのでホーム越しだとこれくらいしか見えません。TMC100の同型機はもう1輌、DL-3がいるはずです。
2009.6.14 上市(車窓から撮影) P:高橋一嘉
電車の窓越しに見たDL-1の正面。ラッセルヘッドなしの場合、最大長5056mm、最大幅2085mm、最大高2650mmの小ささです。地鉄にはこの他もう一形式、1981(昭和56)年製のDL-13がいるはずなのですが、それはまた別の機会に。
2009.6.14 電鉄黒部(車窓から撮影) P:高橋一嘉
※モーターカー、排モに関しては『トワイライトゾ〜ン・マニュアル11・14』に松田 務さんによる研究レポートが掲載されています。ぜひご覧ください。
参考文献:
『復刻版 私鉄の車両10 富山地方鉄道』飯島 巌 西脇 恵 諸河 久
(2002年 ネコ・パブリッシング)
2009.6.18作成